「新しい北口榛花になる」世界陸上予選落ちから進化誓う「ロス五輪で金目指したい」

 インタビューに答える陸上女子やり投げの北口榛花
 陸上世界選手権東京大会女子やり投げ予選を終え、涙ながらに引き揚げる北口榛花=9月
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 陸上女子やり投げでパリ五輪金メダリストの北口榛花(27)=JAL=が8日までに共同通信の単独インタビューに応じ、右肘のけがを抱えて戦った今季の苦悩を明かした。世界選手権東京大会も予選落ち。ただ、既に前を向き「新しい北口榛花になる」と進化を期している。

 以下、一問一答。

  ◇  ◇

 -右肘を痛めた6月24日の試合を振り返って。

 「6回目を投げた瞬間に『ブチブチ』と鳴った。骨が当たる音を聞いたことはあったが、今までにない音ですごく不安になった。そのまま帰国だったので、朝に着いてその足で群馬県の病院に行った。先生からは『普通の人だったら休んだ方がいいと言う』と告げられたが(自身から採取した血小板を注入して組織の修復を図る)『PRP注射』も受けて、どうにかして頑張ろうと思った」

 -復帰過程は。

 「2週間安静で汗をかいてはいけないと言われたが、冷房の効いた部屋でバイクだけはこいだ。投げる練習を再開してからも、動作にブレーキがかかる。克服するためにハンドボールを投げたり、テニスをしたりしたが、難しかった。気持ちが折れそうにもなったが、世界陸上に出たい思いだけは変わらなかった」

 -満員の国立競技場で好結果は残せなかった。

 「直後は落ち込んで、寝込んでいた。起きたら夕方で、活動時間は4時間ぐらい。間に合うかどうかの瀬戸際から全力で駆け抜けて、緊張の糸が切れた。でも、3日後には来年のスケジュールを考えないといけないと思って自然に前を向けた」

 「世界陸上を盛り上げる一員として参加できたのは大きなこと。でも、トップ選手と同じように扱ってもらえたのは東京だったから。日本開催じゃなくても、陸上界のアイコンになるぐらいの選手になりたい。世界陸上でまたメダルを取りたいし、ロサンゼルス五輪でも金メダルを目指したい。まだまだできる。もう一度、世界のみんなと思いきりやりを投げて戦える準備をしていきたい」

 ◇北口榛花(きたぐち・はるか)1998年3月16日、北海道旭川市出身。旭川東高から日大に進学した。五輪は21年東京大会12位、24年パリ大会は日本女子のトラック・フィールド種目で初の金メダルを獲得した。世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)で22年に日本勢初優勝。23年のDLファイナルを初制覇し、24年に日本勢初の2連覇を達成した。世界選手権は22年に日本女子投てき種目で初の銅メダル、23年に日本女子3人目の金メダルを獲得。23年9月に出した67メートル38は日本記録。

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