大の里 背中見せてヒヤリ→クルリ一回転→正対し豪快に寄り倒し1敗死守 圧巻反応「どっしり構えていた」 

 若元春に攻められ、背中を向けてしまう大の里(左)
 大の里(上)が寄り倒しで若元春を下す
 若元春(左)に土俵際まで追い詰められ、一瞬ひやりの大の里(撮影・佐藤厚)
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 「大相撲秋場所・9日目」(22日、両国国技館)

 両横綱がピンチをしのいだ。大の里は若元春に背中を向けて攻め込まれたが、即座に対応。冷静に寄り倒して勝ち越した。豊昇龍は先場所優勝の琴勝峰に逆転の突き落としを決め、9連勝で単独トップを堅持した。大関とりに挑む若隆景は霧島との関脇対決ですくい投げに屈し、5勝4敗と厳しくなった。豊昇龍を、1敗で大の里、平幕正代が追う。2敗は新小結安青錦、平幕の隆の勝と竜電。

 大の里が若元春に背中を向けた。立ち合い、もろ手突きで攻め、左足が流れた。左手が空振りするように体勢が崩れた。番狂わせの予感に歓声が沸いた。だが、すぐに一回転して正対し、右を差した。得意の右四つから、最後はうっちゃりを耐え、豪快に寄り倒した。落ち着いた表情で40本の懸賞を手に、引き揚げた。

 圧巻の反応だった。背中を向けた場面を「下半身が伸びていなかったのが良かった。(左手が)抜けた瞬間は危ないと思ったが、どっしり構えていたので」と、冷静に振り返った。左四つが得意の若元春は「もろ手をうまく外せたと思ったら背中が見えて、焦って飛びついたら右四つになっちゃった」と嘆き節。大の里は「挟みつけるのがさえている。腰を割って寄った」と納得の様子だ。

 新横綱で臨んだ名古屋場所は11勝も、金星を四つ配給。今場所も伯桜鵬に金星を許したが、逆転の突き落としで、安易に引く悪癖は出ていない。「前半戦の負けからうまく立て直している」と手応えは上々だ。

 八角理事長(元横綱北勝海)が「(若元春が)狙い通りにいきすぎたんじゃない。まさか背中を向くとは思わなかったと思うよ」と語る大ピンチ。審判長の九重親方(元大関千代大海)を「反応が良かった。最後も逆転を許さないように全体重を預けていって。大の里の立て直しが早かった」とうならせた。

 豊昇龍が単独トップ。東西の横綱が9日目を終え、全勝と1敗で場所をけん引するのは、2019年名古屋場所の鶴竜と白鵬以来だ。大の里は「追う展開なので考えすぎず(好機が)転がってくるものと思って、目の前の一番に集中していく」と先を見据えた。

 豊昇龍には幕内対戦2勝6敗で、現役では伯桜鵬(1勝2敗)と二人だけ負け越すうちの一人。昇進時に「越えなくてはならない壁」と語っていた相手との賜杯争いは、望むところなのかもしれない。

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