田中希実、史上初4大会連続決勝進出!1500mまさかの予選落ちから復活!決勝へ希実節で意気込み「光も闇もこりごり。自分の透明な気持ちを」
「陸上・世界選手権・女子5000メートル予選」(18日、国立競技場)
日本記録保持者の田中希実(25)=ニューバランス=は14分47秒14で1組5着に入り、上位8人が進める決勝進出を決めた。田中は世界陸上で19年ドーハ大会(14位)、22年オレゴン大会(11位)、ブタペスト大会(8位)に続く史上初の4大会連続の決勝進出となった。ペースを作ったパリ五輪代表の山本有真(25)=積水化学=は18着で決勝進出はならなかった。
スタートから山本有真とともに果敢に先頭争いに加わった。山本が先頭、田中が2番手でよどみないペースでレースは進んだ。2500メートル過ぎには田中が先頭に。残り1周まで先頭で引っ張り続け、その後のスパート勝負でも粘りこんだ。
レース後は芝生の上に倒れこんだ田中。その後、ペース作った山本と手を取り健闘をたたえ合った。
レース後は「1500メートルの後は喪失感が大きかった。今季は波が…。波がどうして生まれてるのかわからなくてつらかった。でもその波が1500できてしまったところで今季繰り返し続けてきたからこそ、冷静に運命を受け止めることができた」と1500メートルからの気持ちの立て直しを振り返り、果敢なレースぶりについては「自分の持ち味はためを作れば頑張れる、というところ。それをするしかないと思って臨んだ」と明かした。
決勝に向けて「パリ五輪で悔しすぎて、栄光、輝きを身にまといたい、自分も輝きたいと思っていたけど、今は光に負けてしまう部分で、絶望のどん底まで落ちてしまう。闇に怯えて闇に落ちてしまう。光も闇もこりごり。今は言葉で表現できるものではなくて、自分の透明な気持ちを走りから放てるようなことがしたい」と独特の表現で見据えた。
田中は13日の1500メートルでは予選で10位に終わり、3大会連続の準決勝進出を逃した。ペースが上がったラスト1周で遅れる内容に「私の実力では厳しかった。堂々としたレース運びができないし、余裕を持って走ることができないことに弱さを感じた。悔しいというより喪失感が大きい」と話していた。
ただ、5000メートルに向けては「生き残るということを信じて疑わない姿をお見せしたい」と話し、前向きに臨んだ。
◇田中希実(たなか・のぞみ)1999年9月4日、兵庫県小野市出身。西脇工高から同大に進学した。18年世界ジュニア選手権3000メートルで金メダル。21年東京五輪1500メートルでは、日本人初の決勝進出を果たして8位入賞した。24年パリ五輪は1500メートルと5000メートルに出場。1000~5000メートルなど複数の日本記録を保持する。153センチ。父はコーチも務める健智さん、母は1997、2003年の北海道マラソンを制した千洋さん。




