スタート前倒しも…残暑が世界陸上直撃 開幕種目・競歩でアクシデント続出 川野はゴール直後に倒れる 高温多湿で谷井ディレクター「非常に過酷」14、15日はマラソンも
「陸上・世界選手権・35キロ競歩」(13日、国立競技場周回コース)
男子は勝木隼斗(自衛隊体育学校)が2時間29分16秒で3位に入り、世界陸上開幕1種目で日本勢初の銅メダルを獲得した。ただ、スタート時間が30分早まった中、有力選手にアクシデントが続出する過酷なレースとなった。
スタート時の気温は26度、湿度77%だったが、優勝タイムは前回のブダペスト大会よりも約4分遅く、途中棄権は10人に及んだ。日本陸連の谷井ディレクターは「非常に過酷な環境で行われた。非常に湿度が高く、ゴールに向けて気温も高くなっていった。徐々に暑さを感じる展開だった」と振り返った。
日本勢では30キロ地点までトップを歩いていた川野は、レース中盤に左胸を押さえて立ち止まるアクシデントが発生。ラスト1周はスピードが落ちてしまい18位でゴールした。スタンドに向かって一礼した直後、左胸を押さえてその場に倒れ込み、けいれんの症状が発生。慌てて医療スタッフが駆けつけた。26位に終わった丸尾知司(愛知製鋼)も「自分の体に異変が起こって、ペースアップできなかった。体が痙り始めた。給水の量が取れてなかったのかな」と明かし、「ちょっとかなり、蒸してる状況ではありました」と明かした。
谷井ディレクターは「ペースダウンしてしまった選手はおそらく脱水。そういうところがひとつの要因だったと思う」と語り、「選手のレース後のコンディションは会えていない選手もいるが、それぞれ医務室に行ってアイスバスに入ったり、早急な対応をして問題ない状況でいます」と説明した。
世界陸上を巡っては、日本の夏の暑さが考慮され、史上2番目に遅い今大会の日程が決まったが、今年は想定以上の残暑となっており、選手への影響が懸念されていた。東京2025世界陸上財団は大会2日前の11日に競歩・マラソンなどロード種目のスタート時間変更を発表。いずれも30分繰り上げることを決めた。14日は晴れるものの、最高気温34度、15日も33度が予報されており、マラソンも過酷な環境での開催となりそうだ。




