酷暑の競歩、川野は嘔吐 複数の選手が体調不良で車いすに マラソンも同時間帯開催
「東京五輪・陸上男子50キロ競歩」(6日、札幌大通公園発着)
川野将虎(22)=旭化成=がアクシデントを乗り越え3時間51分56秒で6位に入った。
午前5時半のスタート時に気温25度、湿度86%。ゴール時の9時過ぎには30度まで上がっていた。厳しい暑さが、体調に異変を起こした。
川野にアクシデントが発生したのは42キロ付近。2位集団につけていたが、途中でコース脇に突っ伏して嘔吐。地面を2度、3度叩いて、悔しそうな表情を見せた。
川野は帽子を投げ捨てレースを再開。いったんは離された2位集団を猛追。5人の2位集団に追いついた。残り2周で1人が脱落。川野はメダル圏内にいたが、残り3キロ付近で徐々に遅れ、最後は6位でフィニッシュした。
前日は東洋大の同級生で旭化成の同僚、練習パートナーでもある池田向希(23)が男子20キロ競歩で銀メダル。川野はメダルは逃したが堂々とした走りで戦友に続いた。
夕方に行われた前日の男子20キロ競歩はビル影もあった。早朝のこの日は影ができず直射日光を浴びながらの競技だった。競技後はメディカルに直行した川野を含めた複数の選手が車いすで移動するほどだった。
7、8日のマラソンも同じ時間帯に開催される。
◆川野将虎(かわの・まさとら)1998年10月23日生まれ。宮崎県出身。静岡・小山須走中、御殿場南高、東洋大を経て旭化成入り。50キロ競歩3時間36分45秒の日本記録保持者。名前の由来は「寅年生まれでかっこいいから」。177センチ、60キロ。