不屈のロコ・ソラーレ 連勝発進から連敗最下位も崖っぷちで勝負強さ見せる!藤沢不敵「試されている」 13日タイブレーク戦へ

 フォルティウス・吉村(右奥)の前で必死に指示を出すロコ・ソラーレの藤沢。手前左は鈴木、同右は吉田夕(撮影・吉澤敬太)
 フォルティウス戦前のショットの計測を見つめる藤沢
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 「カーリング・ミラノ・コルティナ五輪最終予選代表決定戦」(12日、みどりスポーツパーク)

 女子は1次リーグを終えて3チームが2勝2敗で並び、SC軽井沢クが各試合前に先攻後攻を決めるショットから算出するドローショットチャレンジ(DSC)で1位になり決勝に進んだ。ロコ・ソラーレはSC軽井沢クに4-5、フォルティウスに6-7と2連敗。フォルティウスと13日に決勝進出を懸けて、8エンド制のタイブレークを戦う。男子はSC軽井沢クがコンサドーレ相手に3勝1敗とし、代表に決まった。第3戦では6-7で敗れたが、第4戦を5-4で制した。

 2連勝翌日の痛恨2連敗でも、スキップ藤沢五月の言葉に悲愴(ひそう)感は一切なかった。「シンプルに悔しい」と率直な気持ちは明かしつつも「こんなもんですよね!」と日本代表決定戦の難しさを受け止め、報道陣の前で笑い飛ばした。

 4年前の北京五輪代表決定戦は2連敗から3連勝で大逆転、五輪は1次リーグ敗退危機から勝ち上がって銀メダルを獲得、そして今回の代表決定戦は4位以下なら五輪消滅だった2025年日本選手権で3位に滑り込んで出場と、これまで数々の困難をくぐり抜けてきた。

 追い込まれた時の並外れた勝負強さは、自分たちが一番知っている。また訪れた修羅場に、藤沢は「試されていますね」とにやり。「これまで無駄に崖っぷちに追い込まれてきたわけではない。経験を生かして練習してきたことを信じて、全員で一つのショットを決めきりたい」と、どんと待ち構えた。

 わずかな氷の感覚のズレが勝敗を分けた。初日に13-4と大勝したSC軽井沢ク戦。第9エンドで4-4の同点だったが、藤沢の最終投で「想像以上にアイスが滑った」とショットが乱れた。1点スチール(先攻で得点すること)を許し、初黒星を喫した。

 続くフォルティウス戦。同じく最終盤まで大接戦。第6エンドに3点を取られても、第9エンドに3点を取り返す一進一退の攻防が続いた。しかし、最後は後攻の相手にドローショットを決められ、6-7で惜敗。藤沢は「もったいないミスがたくさんあった。改善していきたい」と反省した。

 2勝を挙げて無傷4連勝なら日本代表に王手をかけていたが、一転。13日は負ければ五輪消滅のタイブレークで、フォルティウスと対戦することになった。危機的状況だが、チームは大会前の合宿からタイブレークに突入した最大8試合を戦うタフな練習を積んできただけに焦りはない。2連敗直後から「これは想定通りだ!」と明るく話し合い、すぐに切り替えたという。

 2月の日本選手権。どん底からはい上がる強さを自分たちで「ゾンビゲーム」と表現した。「ここからロコ・ソラーレらしさを見せたい」と藤沢。ピンチこそが真骨頂。本領を発揮し、五輪までつないでみせる。

 ◆ドローショットチャレンジ(DSC) 各試合前に1チーム2人ずつストーンを投じ、ハウス(円)中心への合計距離で先攻、後攻を決める「ラストストーンドロー」(LSD)から算出される。LSDの悪い数値を2つ除いた平均値。五輪などの国際大会を含め、総当たりの1次リーグで勝敗数が同じ場合、DSCで最終順位を決める。

 ◆カーリングのミラノ・コルティナ冬季五輪最終予選をかけた代表決定戦の大会方式 女子は3チーム(ロコ・ソラーレ、フォルティウス、SC軽井沢ク)で1次リーグを行い、総当たりで2度ずつ対戦。上位2チームが当該対戦成績を持ち越し、3戦先勝方式の決勝を行う。男子は2チーム(コンサドーレ、SC軽井沢ク)の一騎打ちで3戦先勝方式。優勝チームはミラノ・コルティナ冬季五輪最終予選(12月、カナダ・ケロウナ)に進み、上位2カ国に与えられる本戦出場権の獲得を目指す。

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