「大相撲秋場所」（１４日初日、両国国技館）

　大相撲の横綱審議委員会稽古総見が５日、東京・両国国技館の相撲教習所で行われた。大の里、豊昇龍の両横綱、大関琴桜が申し合いを実施。巻き返しを期す豊昇龍が意地を見せた。

　関脇霧島を筆頭に幕内上位による申し合いが落ち着き、両横綱と大関３人による勝ち残りの申し合いが開始。豊昇龍は頭から突き刺さるように当たり、相手の胸に頭を付けながら押し込み、まわしを取る場面が目立った。琴桜へのすくい投げなど派手な技もあったが、髪を乱しながら愚直に前に出ることを意識しているようだった。

　大の里に５勝３敗、琴桜に９勝２敗。１９番で１４勝５敗の内容に「反応を見て攻める稽古をした。いい感じでできた」と振り返った。夏巡業で痛めた左肩、名古屋場所休場の要因となった左足親指の状態も問題ないという。

　途中休場に終わった先場所を「情けない姿を見せた」と悔しがり、琴勝峰の平幕優勝を「同時入門で、昔からライバル意識を持っている。優勝はうれしいけど、おれ、壁になれなかった」と反省。昇進後３場所は順に途中休場、１２勝３敗、途中休場と不本意な成績。巻き返しを期す今場所へ「自分らしい相撲を取る。一日一番集中すれば結果はついてくる」と、意気込みを口にした。

　大の里は琴桜に０勝３敗で計１１番を３勝８敗。「全然ダメですね。初日に間に合うようにやっていきたい。バラバラだった」と不満を口にした。新横綱だった先場所は１１勝４敗とまずまずも、優勝を逃し納得はしていない。「先場所と同様の失敗をしない。最後まで優勝争いに絡んで盛り上げられるようにしたい」と前を向いた。

　琴桜は今年は順に５勝、８勝、８勝、８勝と低調な成績が続く。この日は１４番で５勝９敗。「勝てるように準備している。気持ちを切らさずにやりたい」と静かに闘志を燃やした。