シダマツ4強進出 2人で組む最後の大会でメダル確定 4度目挑戦で鬼門突破 志田「ここまできたら金メダル」
「バドミントン・世界選手権」(29日、パリ)
各種目の準々決勝が行われ、女子ダブルスでパリ五輪銅メダルの志田千陽(28)、松山奈未(27)組(再春館製薬所)が韓国ペアを2-0(21-17、21-14)で下して準決勝に進んだ。3位決定戦がないため、銅メダル以上が確定した。女子シングルスの山口茜(28)=再春館製薬所=は中国選手にストレート勝ちし、4大会連続5度目の表彰台を確保した。
2人で組む最後の大会。熱い思いは悲願のメダルへとつながった。1年前、銅メダルに輝いたパリ五輪と同じ体育館。シダマツが再び歓喜の時を迎えた。韓国の難敵にストレート勝ちし、世界選手権では初のメダルを確保した。
過去3大会連続ではね返されてきた鬼門の準々決勝を突破。志田が「勝てて、まず表彰台に上がれることは決まって良かった」と言えば、松山は「やっと壁を越えられた。率直にうれしい」と胸を張った。
不規則に吹く空調の風に戸惑い、第1ゲームの立ち上がりは劣勢だった。しかし、志田は「松山の状態は良かったので、自分さえ立て直せば大丈夫だと思った」と冷静さを失わなかった。7-12から5連続得点で追いつき、突き放した。第2ゲームは持ち味の連続攻撃で、中盤から差を広げた。志田は「シダマツとして100点」と満点をつけた。
初めて組んだのは2014年のジュニア日本代表合宿。松山はパリ五輪の銅メダルでやりきった思いが強くなり、さらに高みを目指す志田とペアを続けることに遠慮を感じたという。ことし2月から話し合い、最後の舞台にこの世界選手権を選んだ。
表彰台という一つの目標はクリアした。それでも、松山は「自分を過信せず準決勝もいい準備をして臨みたい」と言い、志田は「まだ満足できない。ここまできたら金メダルしかない」と宣言。1年前に実現できなかった、一番輝くメダルを奪いにかかる。
◇志田千陽(しだ・ちはる)1997年4月29日、秋田・八郎潟町出身。姉の影響で6歳から競技を始めた。青森山田高出身。3年時はインターハイ女子ダブルスで優勝した。16年から再春館製薬所に入社。パートナーの松山奈未と14年からペアを組む。161センチ。
◇松山奈未(まつやま・なみ)1998年6月28日、北九州市出身。両親、兄、姉もバドミントンに打ち込む一家で育つ。九州国際大付中、高出身で、3年時には世界ジュニア選手権で優勝した。17年に再春館製薬所に入社した。167センチ。





