琴勝峰 初優勝一夜明けても実感まだ「不思議な感じ」 初三役へ「もっと地力つけて厳しい相撲取れるように」

 大相撲名古屋場所で幕内初優勝を果たした東前頭15枚目の琴勝峰(25)=佐渡ケ嶽=が千秋楽から一夜明けた28日、名古屋市内の部屋宿舎で一夜明け会見を開いた。幕内下位から快進撃の13勝を挙げた場所を振り返り、15日間の心境や優勝の感想などを語った。また、普段の物静かな表情、振る舞いとは異なった意外な一面も自身の口から明らかにした。

 大躍進の15日間を終え、初の賜杯を手にしてから一夜明け。報道陣の前に現れた琴勝峰の表情は、いつもと変わらなかった。「まだ自分が優勝したのかな、というような感じ。事実として分かっているけど、でも不思議な感じ」。少し夢見心地といった感じだろうか。実感がまだ湧いていないようだった。

 反響は大きかった。「本当にたくさんの方から連絡が来て、まだ返し切れていない部分もあって」。祝福の連絡、メッセージは200通ほど。「いろんな方から応援していただいているんだと思った」と周囲の声に感謝した。

 活躍の裏には重圧との戦いも少なからずあった。感情は表に出さないが、力士の前に一人の人間。優勝次点だった2023年初場所では、大関貴景勝(現湊川親方)との千秋楽相星決戦で「緊張と雰囲気にのみ込まれた」という。だからこそ、今場所は「無理にあらがおうとせず、緊張するのはしょうがない」と重圧を受け入れた。ただ、13日目に顔を合わせた横綱大の里戦の前夜は寝付けず、音楽を聞いて気持ちを落ち着けたこともあった。

 無感情というわけではない。人前でも大笑いすることもあるという。「酔うとしゃべるし、笑う。う~ん、気が大きくなるんですかね」と照れくさそうに、笑い上戸な一面を明かした。

 横綱にも当たり負けない強さで、ついに花開いた大器は、次の目標である初の三役昇進に向けて、己を厳しく見つめる。秋場所(9月14日初日、両国国技館)に向けて「浮かれずに。もっと鋭く当たれるようになりたいし、雑な部分や隙がまだまだあると思う。もっと地力をつけて、厳しい相撲が取れるように」と尽きない向上心をのぞかせた。

 ◇琴勝峰吉成(ことしょうほう・よしなり)本名=手計富士紀(てばかり・としき)1999年8月26日、千葉県柏市出身。3歳から相撲を始め、埼玉栄高に進学。佐渡ケ嶽部屋に入門し、17年九州場所初土俵。19年九州場所新十両。20年7月場所新入幕。幕内優勝1回、十両優勝3回。殊勲賞1回、敢闘賞2回。幕内琴栄峰は弟。好きな食べ物は焼き肉。趣味は漫画。得意は右四つ、寄り。190センチ、167キロ。家族は妻・珠奈(じゅな)さん(25)、長男・寿冨(ひさと)ちゃん(一つ)。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス