草野 安青錦引きずり下ろし1差3敗死守で優勝争い残った 決定戦へ高安戦必勝 目標2桁勝利達成「次は優勝」
「大相撲名古屋場所・14日目」(26日、IGアリーナ)
新入幕で3敗の草野が2敗の安青錦を寄り切り、首位から引きずり下ろした。琴勝峰は関脇霧島に上手投げを決めて2敗を守り、単独トップに立った。3敗の熱海富士は小結高安の下手投げに敗れ、賜杯争いから脱落。3人とも初優勝を狙う千秋楽では、琴勝峰と安青錦が対戦し、草野は小結高安戦が組まれた。横綱大の里は関脇若隆景を押し出し10勝目。大関琴桜は平戸海をすくい投げで下し、勝ち越した。
草野が攻め続けた。頭で当たって突き、左上手を取って振った。右を差して寄り、最後はすくい投げのように寄り切った。安青錦を圧倒。興奮した表情のまま、土俵から引き揚げた。
師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)から「止まるな」と助言された。「言われた通りの相撲が取れた。張ったら上体が高くなるので、かまして突き起こした」と胸を張った。
場所前の目標は勝ち越し。達成後は2桁勝利を掲げ「10勝したら優勝争いに残っていた。次は優勝」とキッパリ。緊張は「ない」と言う。昨年春場所、兄弟子の尊富士に続く史上3人目の新入幕優勝を狙う。十両優勝2回からの“変則3連覇”は史上初だ。
場所中は一緒に銭湯に通っていた尊富士から「優勝したいなら優勝するという気持ちを持て」と気合を入れられた。入門予定だった宮城野部屋で、師匠になるはずだった元横綱の白鵬翔氏からは連日、ボイスメッセージが届く。前夜は「2桁おめでとう。外掛けあっぱれ」という内容だったと明かし、感謝した。
この日に名古屋入りしたという白鵬さんが、トヨタ自動車からの寄贈を導いたオープンカーでの優勝パレード、そしてマゲ姿の新師匠に名誉を届けてみせる。首位琴勝峰と1差で迎える千秋楽は高安と対戦。決定戦を信じて「変わらず自分の相撲を取る」と、逆転を狙う。





