草野 あるぞ史上初変則3連覇 十両連覇に続き新入幕Vも見えた 御嶽海との2敗対決制しトップ4人並走
「大相撲名古屋場所・11日目」(23日、IGアリーナ)
新入幕の草野が御嶽海との2敗対決を上手投げで制した。単独トップだった1敗の一山本が小結高安に敗れたため、首位タイに浮上した。新十両から2場所連続優勝中で、新入幕優勝を果たせば、史上初の変則3連覇が実現する。前日に玉鷲に金星を配給した新横綱大の里は、関脇霧島を上手ひねりで退けて勝ち越しを決めた。賜杯争いは、2敗に平幕4人が並び、3敗で6人が続く大混戦となった。
快進撃が止まらない。草野はじりじりと押し込まれたが、左上手を命綱に、左差しを許しながら右で頭を押さえつけ、御嶽海を土俵際で豪快に投げ捨てた。「差し負けたが対応できた。とっさでした」と振り返った。
2敗対決を制し、首位タイに浮上。1914年に両国、昨年春場所では同部屋の尊富士が十両優勝から新入幕優勝を達成している。草野は春、夏場所と十両を制しており、史上初の変則3連覇の芽が出てきた。
2年前に新入幕で優勝争いした伯桜鵬ら7人の関取を擁す伊勢ケ浜部屋。「いろんなタイプの人と稽古しているので、対応力はついている。刺激を受けている」。場所中は尊富士とほぼ連日サウナに出向き、9時間の睡眠で体調を整えている。
元競輪選手の父・信一さんが観戦に訪れた9日目に2敗目を喫し「情けない相撲で…」と連絡すると「切り替えていけ」と激励された。日大を経て入門した際は「今までは部活。これからは仕事。メリハリをつけてやれ」と金言を授かった。家族の後押しも励みだ。
学生時代にサーフィンを楽しむなど、体幹の強さが持ち味。部屋付きの楯山親方(元幕内誉富士)が「いい意味で普通の青年。付け人にも優しい」と語るように、優勝を争っていても周囲への気配りは忘れない。
日増しに声援は大きくなっているが、土俵に上がれば「集中しているので分からない」と無心を強調。史上初の偉業へ浮つく様子はない。





