大の里 一人横綱星!新横綱Vへ序盤4勝1敗「しっかり体は動いている」 前日金星の阿炎を「落ち着いて」押し出し 

 「大相撲名古屋場所・5日目」(17日、IGアリーナ)

 横綱豊昇龍が左足親指の負傷で休場し、新横綱ながら場所をけん引する責任を一人で背負う大の里が阿炎を押し出し、連敗を免れた。師弟3代での新横綱優勝を狙う中、師匠の稀勢の里(現二所ノ関親方)、その師匠隆の里が経験しなかった“一人横綱”での白星を挙げ、序盤戦を4勝1敗とした。大関琴桜は阿武剋を寄り切り3勝目。全勝は平幕の御嶽海と一山本の2人となった。

 一人横綱となった大の里が土俵を引き締めた。結びの一番。前日に金星を奪った阿炎ののど輪にのけぞりながら一歩も引かず、左で押し返し前進。右も伸ばし一気に押し出した。「落ち着いて対応できた。相手が見えていた」と一蹴。連敗、連日の金星配給を免れた。

 4日目は安易に引く悪癖を突かれ、王鵬に金星を許した。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)はこの日「集中力が少しなかった。そういう日も何番かある。そこで勝ちに持っていける力をつけてもらえれば」と期待を寄せていた。

 大の里は「昨日負けて、向こうは勝って勢いがある。反省を生かした。これから中盤戦に向け、一番一番集中したい」とキッパリ。前日の敗戦を引きずる姿はなかった。

 今場所は2021年秋場所の照ノ富士、白鵬以来4年ぶりに東西の横綱がそろった。横綱同士が対戦すれば、20年春場所の白鵬、鶴竜以来5年ぶりだった。新会場のIGアリーナに移った今場所の目玉は、豊昇龍のあっけない休場でお預けとなった。それでも「しっかり自分のやるべきことを、残り10日間やりたい」と意に介さなかった。

 八角理事長(元横綱北勝海)は一人横綱になった大の里に「責任とか感じる余裕がないでしょ。自分のことで精いっぱい。場所の前からではない」と、その心情を推し量り、取組内容を「よく見ていったよ」と評価した。

 師匠の稀勢の里は、新横綱として臨んだ2017年春場所を13勝2敗で、その師匠である隆の里は1983年秋場所を全勝で制した。師弟3代連続、年6場所制が定着した1958年以降では大鵬、貴乃花、照ノ富士を含め、6人目の新横綱優勝に挑んでいる。

 また、稀勢の里は白鵬、鶴竜が休場し、一人横綱で臨んだ18年九州場所は初日から4連敗で途中休場に追い込まれた。隆の里は千代の富士の躍進期、意地を見せた北の湖の晩年期と重なり、在位中に一人横綱の経験は皆無。3代で大の里が初めて一人横綱での白星を挙げた。

 新横綱でいきなり重責を担う。照ノ富士の新横綱優勝と同じ状況になったが、特に意識することはない。4勝1敗の序盤戦を「しっかり体は動いている」と振り返り、今後を「目の前の一番に集中する」と見据えた。

 ◆阿炎-大の里に16本懸け替え 豊昇龍の休場に伴い、王鵬戦の懸賞28本のうち16本を阿炎-大の里に、1本を琴桜-阿武剋に、それぞれ懸け替えたと発表した。残り11本は取りやめになった。

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