サニブラウン 負傷も強行出場へ 右股関節上部の骨挫傷で全治3週間 世界切符へ強い覚悟「やらなきゃいけない」
「陸上・日本選手権」(4日開幕、国立競技場)
9月の陸上世界選手権東京大会代表選考を兼ねる日本選手権の前日会見が3日、会場の国立競技場で行われた。男子100メートルで昨夏パリ五輪代表のサニブラウン・ハキーム(26)=東レ=は右股関節の骨挫傷を負ったことを明かしたが、強行出場の決意を示した。女子1500メートル、5000メートルで代表権を狙う田中希実(25)=ニューバランス=は2冠へ意欲。男子110メートル障害、走り幅跳びと異例の挑戦をする泉谷駿介(25)=住友電工=も2種目での代表入りへ闘志を燃やした。
アクシデントにも強気で立ち向かう。サニブラウンは会見冒頭、6月26日の練習で負傷し、右股関節上部の骨挫傷と診断されたと告白。全治3週間と明かしたが、「できる限りの準備をして試合には臨む」と強行出場へ固い意志を見せた。
ケガをした当時の状況を「思わぬ体勢で踏ん張って骨に負荷がかかった」と説明。足を上げるだけで痛みを伴う厳しい状況だというが、「見に来てくれるお客さま、応援してくれる子どもたちのために走らないといけない」という自覚を原動力にする。
昨年のパリ五輪で9秒96をたたき出し、世界選手権の参加標準記録(10秒00)は同種目の日本人選手で唯一、突破済み。今大会で3位以内に入れば代表内定となる。
9月の大舞台と同じ国立競技場での大事な一戦。「自分だけの競技生活ではない。いちアスリートとしての責任もそうですし、やらなきゃいけないことはやらなきゃいけない」と強い覚悟がある。苦境を乗り越え、世界切符をつかんでみせる。





