志土地 出産経て2年ぶり実戦復帰 東京五輪女子53キロ級金メダリスト 「また挑戦していく」
レスリングの明治杯全日本選抜選手権(19~22日・東京体育館)で、2021年の東京五輪女子53キロ級金メダルの志土地真優(27)=ジェイテクト=が2年ぶりに実戦復帰する。昨年11月に第1子の長男、巳楽(みら)ちゃんを出産し「夢が一つかなった。また挑戦していく。充実している」とわが子を抱き、穏やかに笑った。
志土地にとって次の夢は、3年後のロサンゼルス五輪で女王に返り咲くことだ。産前も医師の指導を受け、可能な範囲で組み手などの練習をした。産後1カ月で練習を再開し「レスリングの感覚はあまり変わらなかった」とうなずく。朝のランニングでは夫の翔大コーチがベビーカーを押し、親子3人でロスを目指している。
昨年のパリ五輪は国内選考で藤波朱理(日体大)に敗れ、出場を逃した。悔しさとともに「終わりたくない。まだいけると思わせてくれた試合だった」と前に進む刺激をもらった。現役続行をすぐに決め、他競技の選手を含め、社会が産後の活躍を後押しする風潮にも力をもらっている。
巳楽ちゃんの名前の由来は「ミラクル」になぞらえ、ともに奇跡を起こしていく願いがこもる。全日本選抜では昨年12月の全日本選手権優勝の清岡もえ(育英大)ら次世代との争いが予想される。新境地で臨む闘いに志土地は「自分のレスリングをして勝ちたい」と目を輝かせた。