大の里 これも唯一無二!?社殿内で奉納土俵入り 雨の明治神宮で堂々雲竜型披露「横綱になった実感湧いた」

 大相撲の第75代横綱に昇進した大の里(24)=二所ノ関=が30日、東京都渋谷区の明治神宮で奉納土俵入りを行い、土俵入り前に横綱推挙式に臨んだ。奉納土俵入りは降雨のため一般公開が中止となり、屋根のある一般参拝客が入れない社殿内で実施した。日本相撲協会広報部によると、新横綱が明治神宮で土俵入りするようになった第41代の千代ノ山以降、悪天候による社殿内の実施は初めて。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)から教わった同じ雲竜型を披露し「横綱になった実感が湧いた」と口にした。

 降りしきる雨と木のざわめきをかき消すように、かしわ手を打つ乾いた音が響いた。新横綱大の里が初の土俵入り。指先までピンと伸ばし、腕をくるっと回す所作にはキレがあった。

 左手を脇腹に添え、右手を斜め前方に出してのせり上がりは迫力十分。1分22秒。「あっという間だった」。降雨で一般公開は中止となったが、師匠の前で直々に教わった雲竜型をやり切った。

 「始まったんだな、という思い。横綱になった実感が湧いた。初めて披露するので不安はあったが、堂々とできたと思う」

 28日の昇進伝達式後は、汗だくになって所作を練習。さまざまな先輩横綱の映像を見て研究を重ねた。その成果もあり、前日の練習で師匠の指導は約10分で終了。太刀持ちと露払いを従えての予行演習は一発合格が出た。

 見守った二所ノ関親方は「思い出しますね」と、弟子と自分を重ね合わせて感慨深げ。中央に「赤富士」、左右に「鶴」が描かれた三つぞろいの化粧まわしは、自身が新横綱場所で大ケガを乗り越えて優勝した2017年春場所で使用したものだ。「一安心。堂々と落ち着いてやっていた。よかった」と目を細め「指先まで神経が行き届いていた」と合格点を与えた。

 横綱推挙式では、八角理事長(元横綱北勝海)から推挙状と、29日の綱打ちで作られた純白の横綱が手渡された。一連の昇進行事はこれで一段落。名古屋場所(7月13日初日、IGアリーナ)での師匠、そして照ノ富士に続く史上10人目の新横綱優勝へ「怒濤(どとう)の一週間だった。これを機に頑張っていきたい」と口元を結んだ。最高位として第一歩を刻んだ大の里が、気持ちを新たにした。

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