スノーボード 五輪6大会連続出場の41歳竹内智香が来季で引退「残り1シーズン、本気で勝ちにいきたい」ミラノ五輪で有終飾る

 記者会見する竹内智香
 竹内智香(左)の引退表明に駆けつけた野村忠宏氏
 引退会見を行う竹内智香
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 スノーボード女子で、冬季五輪の日本女子最多となる6大会連続出場の記録を持つ竹内智香(41)=広島ガス=が、26年ミラノ・コルティナ五輪が開催される25~26年シーズンをもって現役を退くことを表明した。

 竹内は「長く続けた競技人生を、今シーズン、五輪シーズンをもって競技の世界から退くことをご報告させていただきたく、この場を設けさせていただいた」と報告。「五輪にいきたい、メダリストになりたいという夢を持って競技を続けて27年。ここまで長く夢を追いかけられる競技人生は感謝でしかない」とうなずいた。

 引退決断までの葛藤を振り返り「雪上に戻って腰が痛くて歩くのも厳しい状態で、選手として厳しいかな、そろそろ退くときかなと思ったのが去年の夏だった」とし、続けて「でも(今季2月の)スイスのワールドカップで表彰台に上がって五輪の派遣選考基準がクリアできたことで、もう1回神様がオリンピックまで全力で頑張りなさいと言ってくれているのかなと感じた。残りシーズンは本気でもう1回取り組んで勝ちにいきたい。もう1度金を取りに行くような取組をしていきたい」と決意も示した。

 最後のシーズンへの思いを語りながら、「私が思い描く引退はすごく寂しいような、何かやり残したような気持ちで去って行くのかなと思っていた。でも今はフルコースを何回食べたんだろうかと思うくらい、デザートがエンドレスで出てくるくらい競技人生が楽しくて本当にお腹いっぱい食べきったような気持ち」と晴れやかな表情を浮かべた。

 北海道旭川市出身。14歳で見た1998年長野五輪をきっかけにスノーボードを始め、パラレル種目の第一人者として競技をけん引してきた。五輪には2002年ソルトレークシティー大会で初めて代表入りし、そこから38歳で迎えた22年北京五輪まで6大会連続出場。14年ソチ大会では、パラレル大回転で日本女子初の表彰台となる銀メダルを獲得した。

 5位だった18年平昌大会後以降は2年半休養し、20年に復帰。アスリートとして競技を追求するだけではなく、“楽しむ”という原点の価値観を再認識してモチベーションを高め、22年北京大会にも出場した。

 昨季のW杯パラレル大回転は総合18位にとどまったものの、2月のスイス・シュクオル大会で20~21年シーズン以来4季ぶりの表彰台となる3位に入り、復調気配。全日本スキー連盟が定める26念ミラノ・コルティナ五輪の派遣基準の最上位条件をクリアし、自身の記録を更新する7大会連続五輪に前進した。

 この日の午前中は、都内のジム内で行った陸上練習を報道陣に公開。体の操作性や、連動性を高めるトレーニングを消化し、1時間半みっちり汗を流した。

 ◆竹内智香(たけうち・ともか)1983年12月21日、北海道旭川市出身。14歳の時に長野五輪をきっかけにスノーボードを始めた。五輪には02年ソルトレークシティー五輪から6大会連続出場中。06年から拠点をスイスに移し、同国のナショナルチームで練習。11年から広島ガスと所属契約を結んだ。12年W杯初優勝し、14年ソチ五輪では銀メダルを獲得。15年世界選手権は銅メダルに輝いた。18年平昌五輪は5位、22年北京五輪は15位だった。実家は旭岳温泉のホテル「涌駒荘」。家族は両親と兄2人。165センチ。

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