ウルフ 涙のV逸「悔しい」 現役最後の個人戦は3回戦敗退 「最後まで戦いたかった」

 「柔道・全日本選手権」(29日、日本武道館)

 体重無差別で争い、東京五輪100キロ級王者のウルフ・アロン(29)=パーク24=は3回戦で敗れた。決勝は28歳の香川大吾(ALSOK)が原沢久喜(長府工産)に優勢勝ちし、初優勝した。

 大量の汗を流しながら、ぼうぜんと天を仰いだ。個人戦は現役最後として臨んだウルフは、初戦を鮮やかな一本勝ちで突破したものの、3回戦で前回覇者の中野寛太(旭化成)に敗れ、2019年大会以来6年ぶり2度目の優勝を逃した。小内刈りで有効を奪われた後に反撃に出たが、疲労もあって攻めきれなかった。試合後はいつもの明るさはなく意気消沈。「もっと上を目指してやっていたので悔しい。最後まで戦いたかった」と涙をにじませた。

 ただ最後は、畳を降りる柔道界の人気者に会場から惜別の拍手が送られた。「最後にここで試合ができたことは、大きな財産にしていかなきゃいけない」。引退試合は6月の全日本実業団体対抗大会(北海道)で迎える。「一日一日を精いっぱいやっていきたい」。残りの競技人生を悔いなく終える。

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