ウルフが涙「悔しいですね」個人最終戦は3回戦敗退で有終V飾れず「最後まで戦いたかった」前年王者の中野に敗れる 人気者の最後の全日本、観客からは惜別の拍手

 「柔道・全日本選手権」(29日、日本武道館)

 体重無差別で行われた。21年東京五輪100キロ級金メダリストで、6月での現役引退を表明しているウルフ・アロン(29)=パーク24=は、3回戦で前回覇者の中野寛太(旭化成)に敗れた。19年大会以来6年ぶり2度目の優勝を逃し、現役最後の個人戦を飾れなかった。

 大量の汗を流しながら、ぼうぜんと天を仰ぐ。柔道界の人気者が最後の個人戦を終えた。試合後はいつもの明るさはなく、意気消沈。「悔しいですね…」と涙し、「もっと上を目指してやっていたので悔しい気持ち。最後まで戦いたかった」と言葉を紡いだ。

 初戦を一本勝ち、2回戦を3-0の旗判定で勝ち進んだ。中野との3回戦は、2分30秒過ぎに小内刈りで有効を奪われて劣勢に。終盤まで攻め続けたが、疲労の色も見え、追い切れなかった。

 ただ最後は、畳から降りたウルフに会場から惜別の拍手が降り注いだ。「こんなに大勢の人に見られながら試合をすることは全日本選手権だけだと思う。最後にここで試合ができたことは、僕にとっての大きな財産にしていかなきゃいけない」。

 現役最終戦は、6月の全日本実業団対抗大会(北海道)。東京五輪からパリ五輪までの3年間でモチベーション維持に苦しんだ経験から、「4年後(のロサンゼルス五輪)はもう目指せない」と、最後のゴールを設定して明言してきた。「一日一日を精いっぱいやっていきたい」と見据えた。

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