橋本大輝 史上5人目5連覇!ラスト鉄棒で唯一の15点台「満足感がある」岡慎之助との接戦制した

 「体操・全日本選手権」(20日、高崎アリーナ)

 世界選手権(10月・ジャカルタ)代表2次選考会を兼ねて個人総合で争う男子決勝が行われ、東京五輪覇者の橋本大輝(23)=日本生命・セントラルスポーツ=が合計169・695点で5年連続5度目の優勝を果たした。08~17年に10大会連続で制した内村航平以来、5人目の5連覇。6種目合計85・464点で、18日の予選2位から逆転した。予選トップだったパリ五輪3冠の岡慎之助(徳洲会)が0・600点差で2年連続の2位。

 最後は連覇への意地が勝った。0・667点の小差で岡を追う最後の鉄棒。窮地で橋本が驚異の精神力を見せつけた。G難度の離れ技二つを決め、着地もぴたり。予選、決勝の全種目を通じて唯一の15点台をたたき出し、最終演技者のライバルに重圧をかけた。新旧五輪王者のつばぜり合いを制し「見ている人は面白い試合だったのでは。満足感がある」と笑った。

 大幅なルール変更を受け、安定感を重視する選手が目立った今大会。橋本は高難度の演技構成を追求する強気を貫いた。鉄棒の演技前には連続技への挑戦にも意欲を示し、コーチに慌てて止められたという。4月にプロ転向を宣言して迎えた今季初戦だった。

 個人総合6位、個人種目のメダルなしと不本意に終わったパリ五輪後は、今季休養も考えた。踏みとどまれたのは、共に団体を戦った岡の「またこの5人で五輪出たくないですか」という何げない一言だった。「こういう試合が今後何年かは続く。胃が痛くなりそうだけど、うれしい」。まだ23歳。ひと味違う5度目の日本一が、橋本の向上心をかき立てる。

 ◆橋本大輝(はしもと・だいき)2001年8月7日、千葉県成田市出身。市船橋高から順大を卒業した。21年東京五輪の個人総合を史上最年少で制覇し、種目別鉄棒でも金メダル。パリ五輪は団体総合で優勝。世界選手権は22、23年大会で個人総合連覇など計4個の「金」を獲得した。デイリースポーツ制定「2021年度ホワイトベア・スポーツ賞」受賞。167センチ、58キロ。

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