佐藤早也伽 2大会連続世陸へ 日本人最高2位&日本女子歴代9位・2時間20分59秒 自己ベスト大幅更新し歓喜の涙
「名古屋ウィメンズマラソン」(9日、バンテリンドーム発着)
9月の東京世界選手権代表最終選考レースとして行われ、佐藤早也伽(30)=積水化学=が日本歴代9位の2時間20分59秒で日本勢トップの2位に入った。対象大会で参加標準記録(2時間23分30秒)を突破した選手の中で最速タイムを出し、2大会連続の代表入りが濃厚となった。上杉真穂(東京メトロ)が2時間22分11秒で日本勢2番手の4位。2時間23分5秒で日本勢3番手の5位となった加世田梨花(ダイハツ)までの3人が選考対象に入った。シェイラ・チェプキルイ(ケニア)が2時間20分40秒で優勝した。
日本勢トップでフィニッシュラインを駆け抜けると、歓喜の涙があふれた。佐藤が2022年に出した自己記録を1分14秒も更新するタイムでゴール。「自己ベストを目標に挑んで、達成することができて本当にうれしい。過去の自分を超えられた」と、2大会連続の世界選手権切符を大きくたぐり寄せた。
魂の走りで先頭集団に食らい付いていった。23キロ付近でペースメーカーがコースを間違えるシーンもあったが「そんなに動揺もなく落ち着いて走れた」と冷静。33キロ付近で日本勢トップ争いを繰り広げていた加世田を引き離し、一気に走り抜いた。
悔しさを糧に強くなった。パリ五輪代表を懸けた昨年1月の大阪国際では、日本新記録を出した前田穂南(天満屋)に敗れた。「頑張ればチャンスはあったところで代表権をつかみきれなかった」。無念を晴らすため、休むことなく練習に励んできた。
課題として挙げたのは30キロ以降の粘り。「前田さんがいくら走ってきたかは分からないけど、今回の練習はもう少しやってみようと前向きな気持ちで取り組めた」と練習では40キロ走を増やし、普段の練習でもとにかく走り込んだ。努力は結果となって表れ「いつもよりも足が残っていて余裕があるなっていうのは一番感じた」と明かした。野口英盛監督も「彼女の成長を感じたレースだった」とうなずいた。
この走りによって、選考レースでトップのタイムをたたき出した。前回のブダペスト大会では目標だった8位入賞を果たせず20位に終わり「世界との差を感じた」という佐藤。東京大会へは「もし代表に選ばれたら、8位入賞を目標に先頭集団でしっかり勝負をしたい」と意気込んだ。再び激走を見せ、雪辱を果たす。
◆佐藤早也伽(さとう・さやか)1994年5月27日、宮城県大崎市出身。常盤木学園高から東洋大に進学。17年に積水化学に入社した。初マラソンだった20年の名古屋ウィメンズは2時間23分27秒で5位。23年世界選手権ブダペスト大会は2時間31分57秒で20位だった。好きな食べ物はオムライス。ペットに猫を飼っている。157センチ。





