不安定なペースメーカーが波紋 コース間違える痛恨ミス 加世田の指摘で気づき集団慌てて戻る ペース上がらず、給水取り戻るなど機能せず

 「名古屋ウィメンズマラソン」(9日、バンテリンドーム発着)

 9月の東京世界選手権の代表選考会を兼ねて行われたが、序盤はペースメーカーがあまり機能せず。23キロ過ぎにはコースを間違える前代未聞のミスがあった。

 23キロでペースメーカーが突如カラーコーンで区切られていたところを越えて、左にコースを変え、集団もついていったが、これは設定外のコース。唯一加世田梨花(26)=ダイハツ=だけが気づいており、右手で右に曲がる正式なルートを伝え、集団が慌ててコースに戻る場面があった。23~24キロは3分25秒とかかっており、ロスがあったと見られる。

 不安定なレースとなった。先頭集団は代表入りに前進する2時間20分前後のタイムが見込める1キロ3分19~20秒が設定されていたが、ペースメーカーを担当した3人の外国人選手はペースを上げきれず。3分23~24秒ペースの第2集団とあまり差がない状況で10キロ通過は33分28秒で予定よりも8秒遅れとされると、その後も3分23~24秒で刻まれた。10キロ過ぎにはペースメーカー1人脱落した。先頭集団には23年世界選手権代表の加世田、22年大阪国際2位の上杉真穂(29)=東京メトロ=、佐藤早也伽(30)=積水化学=、パリ五輪1万メートル代表で、初マラソンに挑んだ五島莉乃(27)=資生堂=ら有力選手が付けていたが、テレビ解説の金哲彦氏は「第1集団のペーサーがあまり時計をみてないんですよ」と伝えていた。15キロもペースを取り戻せないまま通過した。また給水でもヒヤリとする場面があり、10キロ過ぎにはペースメーカーの1人が一度通り過ぎた後に止まって戻って給水する場面が…。また15キロ過ぎの給水ではペースメーカーが急に進路を変えて、給水テーブルに近づく場面があり、有森裕子氏が「急に変えられると選手にとっては非常に混乱するところなので」と苦言を呈する場面もあった。

 SNSでも「ペースメーカーが仕事できてないな」、「ペースメーカー選びが大失敗」、「色々ダメすぎない?」、「給水取りに戻る始末」、「今回のペースメーカーは2度と呼ばないでくれ。ひどすぎる」との声があがっていた。

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