16歳・中田璃士 逆転初V!10年の羽生さんら含め日本男子7人目 甘えと決別「やっと1位に」

 「フィギュアスケート・世界ジュニア選手権」(2月28日、デブレツェン)

 男子で昨年銀メダルの16歳、中田璃士(りお)=TOKIOインカラミ=が自己ベストの合計248・99点で初優勝した。SP2位で迎えたフリーはトップで逆転した。2002年に高橋大輔さん、2010年に羽生結弦さんらが頂点に立った大会で、2023年大会の三浦佳生(オリエンタルバイオ・明大)以来7人目の日本勢制覇となった。SP4位の中村俊介はフリー8位の合計225・69点で6位、初出場の高橋星名は216・45点で9位だった。

 死力を尽くした中田はうつぶせで氷上に倒れ「やり切った」とガッツポーズした。2度の4回転ジャンプに挑んだフリーは、SPに続いて自己ベスト。甘えと決別して積み重ねてきた努力を実らせ、昨年一歩届かなかった頂点に立った。「やっと1位になれてうれしい」。この1年をかみしめるように静かに喜んだ。

 冒頭の4回転トーループは着氷が乱れた。残るジャンプで難度を落とす選択肢もよぎったが「今までの練習が無駄になる。自信を持っていこう」と切り替えた。再び4回転を跳び、3回転との連続トーループで2・85点も加点を引き出す。父の誠人コーチが現役時代に使った「パイレーツ・オブ・カリビアン」の音楽で、攻めて逆転優勝をたぐり寄せた。

 練習嫌いに訪れた転機は、2連覇を逃した昨年12月のジュニア・グランプリ・ファイナル。「勝てるだけの自信を持つ練習をしていなかった」と父に指摘された。ミスすると気持ちが切れる悪癖を直そうと、演目を通して滑る回数を増やした。

 全日本選手権で自己最高2位とシニア勢に割って入ったシーズンを、最高の形で締めくくった。「もう試合は当分したくない」。張り詰めた空気から解放され、表情に充足感がにじんだ。

 ◆中田璃士(なかた・りお)2008年9月8日、母の出身、英国で生まれた。プロスケーターだった父誠人さんが指導する都内のリンクで3歳から競技を開始。昨季はジュニアGPファイナルで初優勝し、世界ジュニア選手権2位。今季は全日本ジュニア選手権を初制覇し、全日本選手権で初表彰台の2位に食い込んだ。愛知・中京大中京高1年。166センチ。

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