若ノ勝 憧れの貴景勝のような相撲を!若ノ勝が母校埼玉栄の化粧まわし贈呈に感激「かっこいいな」
大相撲春場所(3月9日初日、エディオンアリーナ大阪)で新十両となる若ノ勝(21)が21日、都内の部屋で母校の埼玉栄高から化粧まわしを贈呈された。
初場所は東幕下筆頭で5勝。高校の山田道紀監督から化粧まわしを贈られ「かっこいいなと思いました。栄の時から歴代の先輩がずっと着けていて、自分も着けたいなと思っていた。重かったですね」と感慨に浸った。
プロ志望だった中学時代、山田監督に「プロに入りたいならうちにおいで』と言っていただいて。ここしかないなと思った」と埼玉栄に進学。「感謝の気持ちと思いやりという言葉を教えていただいた。やっていただいて当たり前じゃない。相手への感謝。稽古をつけさせていただいている相手への感謝とかですかね」と振り返った。
一番の思い出はインターハイ出場という若ノ勝。山田監督は「落合(幕内伯桜鵬)と決勝で戦ったり、琴栄峰ともライバルで、勝ったり負けたりしてました。若ノ勝が分が良かったと思いますけどね」と高校時代の若ノ勝を回想し「練習、試合も地味ですけどコツコツ上がっていくタイプでしたので。手がかからなかったですね」と続けた。
卒業後は湊川親方(元大関貴景勝)に憧れて常盤山部屋に入門した若ノ勝。現役時代の大関を付け人として背中を追った。春場所に向け「気迫あふれる相撲を取りたい。湊川親方のような?そうですね、はい」と力強く語った。
所用4場所で上がった幕下を、14場所かけて十両昇進。体重が増えず伸び悩んだ時期もあったが、昨年秋場所から幕下上位で3場所連続の勝ち越しで壁を突破した。
師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)は「やっとこのときが来たかと」と喜びを口にした。「なかなか太れなかった。太らないと馬力が足らないかなと思っていたけれど、ここ何場所で(太った)」と延べ、増量について「十両に上がる力士はそういう風になるんですよ。稽古して中々太れなくて、そこである日突然、体が大きくなる時が。上がります、そういう人は」と語った。
貴景勝のような突き押しが身上。そして回転の速い突っ張りが持ち味だ。山田監督は「良いお相撲さんになると思いますね。相撲は違うけど、平戸海とかああいう系の渋いお相撲さんになってくれれば」と目を細めた。
春場所には地元後援者からのものを含め、2本の化粧まわしを準備。締め込みは黒紺に決まった。初場所では関取71人中、15人が埼玉栄出身。先輩との対戦も予想される若ノ勝は「気後れはない?そうですね。自分は思いきりやるだけなので」と先を見据えていた。





