宮城野部屋 春場所後に閉鎖か 師匠代行の玉垣親方が示唆「部屋がないものとして行動を制限してくれという説明でした」

 宮城野部屋が入るビルの入り口に掲出された、稽古取材と見学を断る張り紙
 宮城野部屋で謝罪する宮城野親方(左)と北青鵬=2月23日
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 日本相撲協会は27日、元幕内北青鵬の暴力問題で宮城野親方(元横綱白鵬)が監督責任を問われた宮城野部屋の師匠代行に、同じ伊勢ケ浜一門の大島部屋に所属する玉垣親方(59)=元小結智乃花=を任命したと発表した。28日から所属力士の監督指導を行う。この日、宮城野部屋に合流した玉垣親方は師匠代行はあくまで緊急的な措置で、春場所後は事実上の部屋閉鎖となることを示唆した。

 宮城野部屋に閉鎖の危機が迫ってきた。師匠代行となる玉垣親方は「もう深刻な問題。今後の再発防止に向けて、みんなが自覚ある行動をしていくだけ。現状をしっかりと理解してもらって、自覚してもらう」と事態の重さを口にした。

 所属力士の外出も、日常生活の買い物、病院への通院や治療などに制限される。「協会とコンプライアンス委員会の方からは、ちょっと厳しい見解でしたね。『部屋がないものとして、行動を制限してくれ』という説明でした」と明かした。

 宮城野親方は、23日の臨時理事会で2階級降格と報酬減額の処分を受けた。さらに「師匠としての素養、自覚が大きく欠如している」とされた。4月以降の部屋運営については、一門内で協議した案を協会に提出して対応が決まる見通し。部屋は一門預かりとなり、事実上の閉鎖となる可能性が高い。

 玉垣親方は「現状、この不祥事は相当厳しい形で、協会としては重く受け止めている」と説明。処分決定が春場所が迫った23日でなければ師匠代行を置かずに「(預かり)だったと思う」とした。2010年に暴力団関係者の観戦問題で約2年間、閉鎖となった木瀬部屋と同様に「そういう形で早く出ていたと思う」と、宮城野部屋も閉鎖の対応がなされていたという見解を示した。

 この日から大阪での稽古を開始した部屋のビルの入り口には、稽古の取材と見学を断る旨の張り紙が掲出される“厳戒モード”。前日に初めて結ったマゲ姿で力士会に出席した再十両の伯桜鵬は、部屋が大変な状況にあるという質問に「僕はやることをやるだけ。頑張ります」と、硬い表情で帰路に就いた。

 ◆部屋の閉鎖 最近では2010年5月に木瀬部屋が閉鎖となった。師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)が手配した入場券で暴力団関係者が観戦。木瀬親方は2階級降格の処分を受け、部屋は同じ出羽ノ海一門の北の湖部屋預かりに。木瀬親方と力士27人、行司や呼び出し、床山が転属した。2年後の12年4月1日付で木瀬部屋の再興が認められた。

 ◆宮城野部屋 1958年に横綱吉葉山が引退し、一代年寄として独立。60年に年寄・宮城野を襲名し、部屋名も宮城野部屋になった。78年に元小結広川が継承後、89年に元幕内竹葉山が継承。横綱となる白鵬を関取に育てた。04年から10年まで元十両金親が師匠を務めた後、元竹葉山が師匠に復帰。22年7月に元白鵬が部屋を継承し、旧東関部屋に移転した。所属力士は十両伯桜鵬ら18人。所在地は東京都墨田区東駒形。

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