東京マラソン出場辞退の大迫傑 パリ五輪後の葛藤明かす「受動的に走らされてる感じが違和感があった」スローダウン決断「この先を考えると絶対必要」
男子マラソン前日本記録保持者の大迫傑(33)=ナイキ=が20日、自身のYouTubeチャンネルに動画を投稿。前日に発表された東京マラソン(3月2日)を出場辞退したことについて言及。「今回の東京マラソンはスタートしないという決断をしたという報告をする動画になります」と語った。
「大きな理由としては、今回11月ぐらいからトレーニングに集中して、非常にいいトレーニング、質もかなりいい状態、ハーフマラソンも練習を積んでいる中ではいいタイムだったんですけど」とした上で「なんか自分の中でずっと違和感を抱えながら走ってきていて、それを先週、コーチに相談したところ、だとしたら、今までそういうレースをしてこなかったし、それ自体は自分自身のレガシーに反する行為だから辞めた方がいいと。自分自身の中でもなんか誰かに走らされてる感じみたいな。自分の意思ではなく、なんか受動的な感じで走らされている感じがなんか違和感があったんで。もう1回、自分がどんな、この4年間、大きな目標であるこの4年間に対して、外側の軸ではなく、自分軸で、どうやったら自分が1番モチベーションをもって取り組めるかを考えていこうと。整理をする時間が必要だと思った」と、説明した。
パリ五輪選考会だった昨年の東京マラソンは、大迫はMGC3位の状況で迎えて走らないという選択をしたが「そのあたりからなんかこう、世の中というか、それも僕自身の考えすぎなのかもしれないですけど、自分自身が決断する部分に違和感を感じていた」と明かし、「そこらへんはパリ五輪があったのでそんなものなんだろうなと思ってやってきたんですけど、今回パリ五輪を自分自身の中で全力で終えて、“次の東京狙うんでしょ?”みたいなところだったり、なんとなく僕自身も春先レース決まってないから、東京走るか、みたいなところで決めてる自分もいて、そんな中でふと自分っぽくないなというか。練習はできていて体も元気だけど、そこに自分の情熱がついてきてないなと正直思ったんですよね。でも、情熱って無理に火を起こしていくかって、そうではないと思っていて。色んなこともそうですけど、一旦スローダウンする時間というか、高速道路でいうとパーキングエリア、サービスエリアに寄る時間が必要。そこは必要だけど、なんか勝手にそこの自分の気持ちを無視していたというのがあったのかなと思う」と思い返し、コーチと話す中で「本当に自分のために走っているのかというところと、スローダウンする時間もこの先を考えると絶対必要という結論になった」と、説明した。
東京マラソン財団は19日に欠場選手を発表し、大迫も名を連ねた。欠場理由は出場辞退とされていた。同大会は9月の東京世界選手権の代表選考を兼ねており、同選考の最後のレースだった。
大迫は昨年のパリ五輪で13位。2日の丸亀ハーフマラソンに出場し、1時間1分28秒で44位だった。





