今月上旬に心不全のため５４歳で死去した大相撲史上初の外国出身横綱で格闘家としても活動した曙太郎さんの葬儀が１４日、都内で営まれた。

　参列した曙さんの入門時の師匠で元関脇高見山の渡辺大五郎氏は瞳を潤ませながら「もっと、ね、頑張ってほしかった。頭いい、運動神経いい、心もいい。背はでかいし、真面目だった」と故人を偲び、「思い出はやっぱり１１回の優勝。初優勝は一番に感じます。まさか優勝するとは」と、振り返った。そして「ご苦労さん。彼は５４歳ですか？私はあと２カ月で８０になるけどね。もう少し頑張ってほしかった」と、惜しんだ。

　近親者に加え、同期の元横綱３代目若乃花の花田虎上氏や、元大関でタレントの小錦八十吉、元大関魁皇の浅香山親方、元横綱武蔵丸の武蔵川親方、元関脇琴ノ若の佐渡ケ嶽親方、弟弟子で元小結高見盛の東関親方、大関琴ノ若、元Ｋ－１プロデューサーの谷川貞治氏、プロレスラーの浜亮太ら３００人が参列した。東関親方は涙を流し、小錦は瞳を潤ませた。

　祭壇には大相撲の現役時代に浴衣姿で笑顔を浮かべる曙さんの写真が中央に飾られ、両脇に２０００年名古屋場所、同年九州場所の優勝額が置かれた。棺にはハワイ州の旗が掛られた。

　向かって右側には小錦氏や武蔵川親方ら大相撲関係者の花、左側には大相撲引退後に飛びこんだプロレス、格闘技関係者の花が飾られ、師匠の武藤敬司、天龍源一郎らの名前が並んだ。