日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）は２１日、都内で理事会を開き、今夏のパリ五輪に向けて、三屋裕子副会長（６５）が会長代行を務める現執行部体制を維持する方針を確認した。山下泰裕会長（６６）は頸椎（けいつい）損傷で長期療養を続けているが、２月中にＪＯＣの三屋副会長と星香里常務理事が面会。山下氏からは「懸命にリハビリを続けているが、主治医からはパリ大会に（職務復帰は）間に合わない」との報告があったといい、会長職は維持したままで三屋副会長が会長代行として指揮を執る。

　山下会長は昨年１０月２９日にプライベートで行動している際に転倒し、頸椎を損傷。手術を受け、リハビリを続けていた。回復状況などについて、ＪＯＣとしては「強い個人情報」と詳細の公表は控えたものの、会話には問題がないという。

　このほど面会した星常務理事は、療養中の山下会長の様子について「ＪＯＣのオフィスで以前お会いしているときと変わらず、ご自身の意見をハッキリ言われたり、ユーモアを交えて話したり、お変わりない様子でした」と明かした。

　ただ、今夏までに会長職に復帰することは断念。「五輪はＪＯＣにとって最重要なイベント。この時期に組織体制の大きな変更は望ましくない」との見解で一致したといい、現在の三屋会長代行体制を維持したまま、パリ五輪に臨む。