東京五輪競歩銀・池田 2大会連続五輪決めた 世界記録まで15秒 はとこはモデルのみちょぱ

 「陸上・日本選手権20キロ競歩」(18日、六甲アイランド甲南大周辺コース)

 パリ五輪代表選考会を兼ねて行われ、男子は東京五輪銀メダルの池田向希(25)=旭化成=が世界歴代3位の1時間16分51秒、女子は藤井菜々子(24)=エディオン=が1時間27分59秒でともに2連覇した。それぞれ日本陸連の派遣設定記録を突破し、2大会連続の五輪代表に決まった。男子の2位は浜西諒(サンベルクス)、3位は古賀友太(大塚製薬)が入り、ともに派遣設定記録(1時間19分30秒)を突破して初の五輪代表入りを確実とした。東京五輪銅メダルの山西利和(愛知製鋼)は失格に終わった。

 五輪切符がかかる大一番を勝ち切り、池田は気合の入った表情で何度もガッツポーズした。五輪派遣設定記録を大きく更新する大会新の1時間16分51秒。世界記録まで15秒に迫る圧勝に「ここまでの記録は狙っていなかったが、今まで作ってきたものが形になった」と自信を深めた。

 序盤は先頭の山西にピタリとつけて集団を引っ張り、6キロ過ぎにスパート。中盤は世界記録も狙えるスピードをキープし、独走態勢に入った。「15キロ以降の優勝争いを予想していたが、山西選手がハイペースで進めてくれたのでうまく生かそうと。ペースが1、2秒落ちた頃に前へ出られたので、ここが勝負だとレースプランを変更して進めた」と対応力を生かした。終盤にややペースダウンも、2位に51秒差をつける完勝だった。

 15位に沈んだ昨年の世界選手権(ブダペスト)の反省を生かした。「大会前にペースを上げ過ぎて疲労がたまり、バランスを崩していた」と敗因分析。今大会に向けて「(昨年)11、12月はスピードを出さず我慢。1月にやっとスピードを出し始めて、2月は調整がうまくいった」とピークを合わせた。

 「やっとスタートラインに立てた」という2大会連続の五輪。銀メダルを獲得した東京では、モデルでタレントの「みちょぱ」こと池田美優(25)のはとこという話題でも注目されたが、パリに向け優勝候補としての自覚もバッチリだ。「フランスは欧州勢に合ったコンディションが予想されるのでしっかり準備したい。ベストな状態で臨んだ時に2大会連続メダル、そして金メダルが見えてくる」と頂点を見据えた。

 ◆競歩のパリ五輪への道 個人の代表枠は男女各3。男子は池田が決定し、残り2枠の選考条件は、日本選手権3位以内で有効期間内に派遣設定記録を突破した選手が最優先されるため、2位の浜西、3位の古賀が五輪切符を確実にした。女子は藤井が決定。突破がなかった残り2枠は、3月の全日本競歩能美大会を経て決まる。リレー形式で行う新種目の男女混合団体は、20キロ競歩の成績から選考を行う。

 ◆池田向希(いけだ・こうき)1998年5月3日、静岡県浜松市出身。小学5年で陸上を始め、浜松日体高2年で競歩を手がけた。東洋大に進学し、18年の世界競歩チーム選手権で優勝。19年はユニバーシアードを制し、世界選手権は6位。東京五輪と22年世界選手権で銀メダルを獲得した。168センチ。

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