被災の石川1区・五島莉乃、涙の区間賞 沿道の石川コールに「泣きそうになりながら走った」地震発生時は新幹線に12時間閉じ込められる

 募金箱の設置に感謝を伝えた五島莉乃
 募金箱の設置に感謝を伝えた五島莉乃
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 「全国都道府県対抗女子駅伝」(14日、たけびしスタジアム京都発着)

 1日の能登半島地震で被災した石川は、昨年の世界選手権代表の五島莉乃(資生堂)が1区で区間賞を獲得した。大会の優秀選手にも選ばれ、「石川県の皆さんに私たちの走りが少しでも届いたらいいなと思って走りました」と感極まった。

 沿道の声援に後押しされた。「今までに聞いたことがないぐらい、ずっとずっと絶えずに『石川!』『石川!』と応援してくださって。だから私も勇気をもらって、泣きそうになりながら走ってました」。1キロ手前から前に出ると、後続を大きく引き離して独走状態になった。区間賞を獲得すると涙があふれた。

 1日の地震が発生した際には、石川から東京へ向かう新幹線に乗っていた。富山に入ってすぐのあたりを走行していたこともあって車内はかなり揺れ、戸惑った。家族の無事はすぐに確認できたが、車内には12時間閉じ込められ、帰宅できたのは2日の夜だった。「やっぱり亡くなられた方もいますし、まだまだ災害の状況がすごい苦しいっていうのをニュースで毎日見てたので、それを見る度に心が苦しくなっていました」。やりきれない思いを抱えた中でのレースだった。

 少しでも被災地に元気を与えられたらと、チームで「笑顔でゴールまで戦う」と話し合っていた。タスキは笑顔で渡した。「私が走って何かを届けられたらいいなと思ってるので。うまく言葉では伝えられないですけど、そういう勇気だったり元気だったり、笑顔っていうとあれかもしれないですけど、届けられたらいいな」と込めた思いを明かす。

 今大会では、被災地への募金箱が設置されている。レース後に係の人に感謝を伝え、「たくさんの人が石川県の人のために支援をしてくださって、すごく日本の皆さんが優しいなと思います」と目を潤ませた。

 自身は今夏のパリ五輪出場を目指す立場。「2024年は私にとっても勝負の年になる。しっかりと目標をぶらさずに持ち続けて、そこに向かって頑張りたい」。少しでも勇気を与える走りを、これからも続ける。

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