「フィギュアスケート・全日本選手権」（２３日、ビッグハット）

　２４日の女子フリーへ向けた公式練習が行われ、初出場でショートプログラム（ＳＰ）６位の上薗恋奈（れな、１３）＝ＬＹＳ＝が中学１年での表彰台へ順調な調整を行った。ＳＰ首位の坂本花織（２３）＝シスメックス＝も３連覇へ好調を維持。ＳＰ７位と出遅れた前回大会３位の島田麻央（１５）＝木下アカデミー＝は逆襲へ入念に大技２本を確かめた。

　初出場の１３歳は堂々と滑った。フリーの最終グループでの公式練習に参加した上薗は、世界女王の坂本、前回２位の三原らトップ選手とともに３５分間汗を流した。世界と戦う先輩たちに「すごかった」と圧倒されながらも、フリーの曲かけでは３回転ルッツ－３回転トーループの連続ジャンプ、３回転ループを着氷。初の表彰台へ好調ぶりを見せつけた。

　４歳の時に名古屋スケートフェスティバルで、元世界女王の浅田真央さんに「手を振ってもらった」ことが、競技に興味を持ったきっかけ。５歳でスケート教室に通い、７歳でクラブに入った。今季ジュニアデビューながら、ジュニアＧＰシリーズの上位６人が進出できるファイナルでいきなり銅メダルを獲得。ニューヒロインとして注目された。

　２２日のＳＰではジャンプを全て決めて６位発進。大人顔負けの演技だったが、好きなキャラクターは「かわいくて面白い」という「クレヨンしんちゃん」と、等身大の少女らしさも兼ね備えている。

　１３歳での表彰台は２０１４年の樋口新葉（ノエビア）以来の快挙。浅田さん、世界ジュニア女王の島田はともに中学２年で全日本選手権の表彰台に乗った。“Ｗまお超え”へ、「まずは楽しんで、自分の演技ができたらいいのかな」。のびのびと滑った先に、初のメダルはある。

　◆上薗恋奈（うえぞの・れな）２０１０年６月７日、愛知県出身。５歳で競技を始めた。今季ジュニアデビューながらＧＰトルコ大会で優勝、ポーランド大会２位。ジュニアＧＰファイナルで３位に入った。１１月の全日本ジュニア選手権３位。好きなキャラクターは「クレヨンしんちゃん」。特技はピアノ。西春中１年在学中。１５７センチ。