駒大 史上初!2季連続3冠王手 “怪物”佐藤が宣言通りの区間新「ちょっとは認めてもらえたかな」

 2区で早大の山口智規(右奥)を引き離す駒大の佐藤圭汰=代表撮影
 1位でゴールする駒大のアンカー・山川拓馬
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 「全日本大学駅伝」(5日、熱田神宮~伊勢神宮=8区間106・8キロ)

 駒大が5時間9分0秒で2度目の4連覇を達成し、歴代最多だった優勝回数を16度に更新した。大学三大駅伝の2戦目で、10月の出雲全日本大学選抜駅伝を制しており、史上初となる2季連続の大学三大駅伝「3冠」へ王手をかけた。大学三大駅伝5連勝は最多タイで、2区の佐藤圭汰(2年)が区間記録を11秒更新する31分1秒の区間新をマークし、大会MVPに選出された。5年ぶりの優勝を狙った青学大が3分34秒差の2位。3位は国学院大だった。  

 圧倒的に強かった。1区から先頭に立った駒大は、その後一度も逆転を許さずに圧勝。ダブルピースでゴールした山川拓馬(2年)が3度胴上げされると、藤田敦史監督(46)、大八木弘明総監督(65)が続いて宙を舞った。全員が区間3位以内で、区間賞は4人。指揮官は「他大学に隙を与えることなく、駒沢大学の強さを示すことができた。満点に近い」と頬を緩めた。

 特に際立ったのが2区で区間新を出した“怪物”佐藤だ。たすきは2位と1秒差で受け取ったが、しっかり後続を引き離し、優勝への流れをつくった。

 同大の練習はクラス分けがされており、佐藤は最高ランクの「Sチーム」。今春卒業し、世界選手権出場経験のある田沢廉(トヨタ自動車)とともに腕を磨く。

 10月の出雲駅伝では2区で区間賞と活躍したが、青学大の黒田朝日(2年)と同タイム。期待の主力なだけに、藤田監督と大八木総監督に「めちゃくちゃ怒られた」と落ち込んだ。それでも「次は絶対に見返してやる」と奮起。「絶対に区間新記録を出します」と宣言した通りに爆走し、「ちょっとは認めてもらえたかな」と笑った。

 昨季の箱根駅伝4区から続く、駒大の大学三大駅伝の連続首位通過は21に伸び、22年出雲駅伝からの連続区間5位以内も38に伸びた。藤田監督が「すさまじいですね」と驚くほどで、3冠を狙う箱根駅伝での“完全優勝”にも期待が高まった。

 佐藤は昨季の箱根駅伝に体調不良で出走できなかった。「複雑な思いだった。貢献して優勝したい」。大会ごとにすごみを増す“怪物”が、初の箱根路で真価を発揮する。

 ◆佐藤圭汰(さとう・けいた)2004年1月22日、京都市出身。幼少期から運動が好きで、体力づくりのために小学3、4年生頃から陸上を本格的に始めた。洛南高時代は1500メートルで3分37秒18、3000メートルで7分50秒81、5000メートルで13分31秒19の高校記録(当時)を出した。5000メートルの自己記録は13分22秒91。出雲駅伝の2区区間記録保持者で2年連続区間賞を獲得。10月の杭州アジア大会5000メートルでは6位に入賞した。座右の銘は「上には上がいる」。184センチ。

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