全柔連・山下泰裕会長が退任会見で悔いも「仕事果たせなかった」「能力の限界」JOC会長兼任で苦慮の4年間

 全日本柔道連盟(全柔連)の山下泰裕会長(66)が28日、都内で開かれた評議員会で退任し、中村真一新会長とともに記者会見した。山下氏は2017年から3期6年会長を務めたが、「2、3期目はJOC会長も兼務し、50年に一度の国家的なプロジェクト(東京五輪)を控え、コロナ禍や1年延期もあって、JOCの仕事に注力せざるを得なかった状況があって全柔連会長の仕事を十分に果たせなかったのではないか。柔道関係者の皆さんに申し訳なく思っている」と悔いも明かしつつ、「そういう状況をご理解いただき(他の役員に)全面的に支えていただいた。感謝の気持ちでいっぱい」と語った。

 13年の不祥事以降、山下氏は全柔連の組織改革を図るべく副会長として4年務めた後、17年6月から会長に就任した。ただ、19年6月からは日本オリンピック委員会(JOC)会長を兼務。「就任時はこんな柔道界にしたいという思いがあったが、個人の能力に限界があった。いろんな役職を兼ねて、正直、自分が全柔連会長でいいのかなという思いもあった」と苦慮の4年間を振り返った。

 暴力・ハラスメントの根絶、女性の活躍、障害者柔道との連携など、会長として注力してきたが、多忙の中で周囲の役員に助けられた部分が多かったという。「心残りという言葉は私の気持ちに合わないが、(周りに)申し訳なかった。6年前(の就任時)は自分が中心になってエネルギッシュに引っ張っていきたいという思いがあったが、そこは叶わなかった部分がある。周りに支えられてここまで来た」と振り返った。

 全柔連で1996年4月から27年務めた理事も退任し、今後は名誉会長となる。「6年前(会長に)就任したとき、将来子どもたちが憧れるような柔道界にしたいと話をしたことを今でもよく覚えている。その目標は退任後も変わらない。役職からは退くが、一柔道家として子どもたちが憧れるような柔道界にできるように、できる範囲で汗をかいていきたい」と語った。

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