「陸上・日本選手権」（１日開幕、ヤンマースタジアム長居）

　陸上の世界選手権（８月、ブダペスト）の代表選考会を兼ねた日本選手権は、６月１日に大阪市のヤンマースタジアム長居で開幕する。３１日は大阪市内で記者会見が行われ、男子１００メートルの前日本記録保持者、サニブラウン・ハキーム（２４）＝東レ＝が２連覇と世界切符獲得へ意気込んだ。この日は化学・繊維大手の東レと４年間のグローバルパートナーシップ契約を締結し、新たな所属先になることを発表した。

　黒のスーツ姿で登場したサニブラウンは、所属先がタンブルウィードＴＣから東レになると発表した。「世界一、世界記録とオリンピックのメダルを目指してやってきている中、東レさんと一緒に世界のトップに立つという同じ夢を掲げる」。世界を目指す“仲間”に共鳴した。

　期間は今年４月１日から４年間。東レの日覺昭廣代表取締役社長は「極限を追求するという共通した高い志を持っている」と契約に至ったと説明。「世界記録を樹立していただきたい。われわれも世界ナンバーワンをいろいろ持っている」と熱烈なエールを送った。

　これにはサニブラウンも「高校時代からの目標。本当に近い未来で達成できれば」と明るい表情で思い描いた。昨季は世界選手権の１００メートルで、日本勢初の決勝進出を果たした日本陸上界のエース。３０日に帰国したばかりで、日本選手権で２連覇と今年の世界切符獲得を狙う。「日本で走れる機会がなかなかない。やっぱり地元で走るのはいい」と充実の内容にする。

　◆男子１００メートルの世界選手権への道　参加標準記録は１０秒００。最大３枠で以下の順に代表が決まる。①昨夏の世界選手権８位以内の日本人最上位（サニブラウンが該当）で、日本選手権終了日（６月４日）までに参加標準記録を突破②日本選手権以降に参加標準記録を突破、またはワールドランク（８月２日公表予定）で出場資格を得た、昨夏の世界選手権８位以内の日本人最上位③日本選手権３位以内で、同大会の当該種目終了時点で参加標準記録を突破、などとなっている。