退任の駒大・大八木監督に田沢「最高の指導者だった」 8月末合宿中に涙を流し主力へ告げる

 「箱根駅伝・復路」(3日、神奈川県箱根町芦ノ湖駐車場~大手町)

 往路優勝の駒大が復路は一度も首位を譲ることなく逃げ切って、完全優勝で2年ぶりの総合優勝、出雲駅伝、全日本大学駅伝を含め、史上5校目の学生駅伝3冠を達成した。優勝会見で大八木弘明監督(64)が退任を表明した。会見終わりにマイクを握ると「私事なんですが、今年で監督を退きますのでよろしくお願いします」と語り、現在コーチを務めている藤田敦史氏(46)が後任となることを明かした。

 8月末の合宿中、山野主将、円、田沢の3人に退任が明かされた。大八木監督はこれまで何度もチャンスはありながら、達成できなかった3冠への思いを熱く語りながら涙したという。特に期待をかけてきたエースの田沢には、かねてから「そろそろ俺もやめる。体も動かなくなってきた。藤田に預けるかな」と話していたという。田沢は「(3冠に)特別な思いがあると言っていた。監督が退く年に3冠を達成させてあげたい思いが強かったので、このような結果は非常によかった。去年からチラっと個人的には聞いていたのでたぶんやめるだろうなと感じていた」と、振り返り、「最高の指導者だった。感謝しかないです。父親みたいな存在」と、言葉を絞り出した。

 山野主将も「監督の今年に懸ける想いが伝わってきた。監督に有終の美を飾ってもらいたいという気持ちが強くなった」と、夏合宿での告白を振り返った。

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