引退の入江聖奈 夢は第2のさかなクン?「一生分浴びたスポットライトを次はカエルに」

 笑顔で準決勝のリングへ向かう入江聖奈(撮影・開出牧)
 決勝で判定勝ちした入江聖奈(撮影・開出牧)
 3回、壮絶な打ち合いを繰り広げた吉沢颯希(手前)と抱き合う入江聖奈(撮影・開出牧)
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 「ボクシング・全日本選手権」(27日、墨田区総合体育館)

 女子フェザー級決勝が行われ、今大会を最後に引退する東京五輪金メダルの入江聖奈(22)=日体大=が吉沢颯希(日体大)を5-0で下して優勝した。有終の美を飾り、来春から進学する東京農工大大学院で大好きなカエル研究の道に進むが、「私は五輪で一生分のスポットライトを浴びさせてもらったので、これからはカエルにスポットライトが当たるように精進していきたい」とユーモアたっぷりに宣言した。

 五輪後は各所でカエル愛を語ってきた金メダリストだが、改めてカエル保全や生物多様性を訴える理由を聞かれると「『なんでカエルを守らないといけないの?』とよく聞いていただけるが、(愛好者が多い)パンダとかコアラなら『なんで守らないといけないの?』という感情は湧いてこないと思う」と力説。両生類は軽んじられがちという現状を踏まえた上で、「私たち“カエル人”がSNSやテレビなどで少しずつ伝えることで、(多くの人に)カエルが大切と思ってもらえたら一歩前進」と語った。

 ボクシングで得たプロップス(名声)もカエルのために使う。「(世の中に)発信しないと伝わらないので。口に出すのはおこがましいんですけど、さかなクンさんとかすごい」。魚類研究者でありながらタレントとして魚の魅力を伝えて続けている先達を引き合いに出し、「ああいう発信力のある方が(メジャーではない)ボクシング界でもカエル界でも大事になる。(自身は)金メダルでスポットライトを浴びさせてもらったので、自分の強みとして活用していきたい」と使命感を燃やした。

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