朝乃山 秋場所へ向け、十両ホープに衰えぬ実力発揮 宮城野親方も太鼓判「モノが別格」

 大相撲の高砂部屋が23日、都内の同部屋で報道陣に稽古を公開した。新型コロナウイルス感染対策ガイドライン違反による6場所出場停止処分から復帰した名古屋場所で三段目優勝を飾った元大関の朝乃山(28)=高砂=は、十両以下との申し合いで19番とって15勝4敗。秋場所(9月11日初日・両国国技館)へ向け、信頼回復と関取復帰への意欲をあらためて示した。

 本来の日常が少しずつ戻って来た。宮城野、鳴戸、大島、浅香山部屋から出稽古に来た力士と充実の申し合い。話しかけられて笑顔を見せる場面もあった朝乃山は「いい稽古ができたと思います」と振り返った。

 十両以下と19番とって15勝4敗。左上手を引いてつかまえれば万全で、北青鵬や欧勝馬らのホープを寄せ付けなかった。稽古を見守った宮城野親方(元横綱白鵬)は「もう、モノが別格だなという感じ」と衰えぬ実力を絶賛。穏やかな表情で、元大関に声もかけた。

 朝乃山が稽古場で取材に応じたのは久々だった。復帰した名古屋場所後は、部屋への来客や弟弟子らと食事にも出掛けられるようになり「あらためて外食はおいしいなと感じました」と、以前は当たり前だった幸せをかみ締めた。

 復帰場所での三段目優勝にも、もちろん気の緩みはない。「ほっとした気持ちを持つと油断してしまう。通過点だと思って」と自らに言い聞かせている。場所後の休み期間も、故郷の富山には帰省せず。「帰れる度胸がない。戦っている姿を見てもらって、もう一度応援してもらえるように、認められるようになってから帰りたい」と決意を明かした。

 1年前とは幕内上位の顔ぶれも変化。「もう一回上に行って、戦いたい気持ちがあります」という言葉に力がこもった。秋場所は幕下15枚目前後の番付が予想される。「気を抜かずに頑張りたい。名古屋場所と一緒のような気持ちでとっていきたい」。初心に返って一歩一歩、また上を目指す。

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