羽生結弦 無邪気さ見せた背比べ デイリースポーツカメラマン・ベストショット

 フィギュアスケート男子で14年ソチ五輪、18年平昌五輪2連覇王者の羽生結弦(27)=ANA=がプロスケーターに転向し、競技会の第一線から退くことを表明した。新たな道を切り開いていく“氷の英雄”は、勝負の銀盤に数々の名演とドラマを残してきた。デイリースポーツカメラマンがベストショットを選んだ。

 【2019年11月23日NHK杯】

 2019年11月23日、NHK杯の表彰式が進む中、私はとにかく焦っていた。優勝した羽生結弦の演技、表彰式の写真を撮影しながらパソコンを片手にデータ送信、そしてデスクからの催促の電話に、まさにパニック寸前。しかし「普段とは違う羽生君の表情を逃すまい」と一応のプロ根性だけは胸に秘めていた。

 そして表彰式の撮影を終え、ふと気づくと、羽生と他の選手たちの談笑が始まっていた。慌ててレンズを向けると身長184センチ、カナダのサドフスキーと背比べをする羽生の姿があった。身長差10センチ以上、何とか届かないかと背伸びをしながら無邪気に笑う羽生。競技中には見せることのない王者の、ほほ笑ましい姿を撮影しながら私自身も思わず笑顔に。それまでパニック寸前だった気持ちが、ふと軽くなった。(デイリースポーツ・堀内翔)

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