卓球パリ五輪選考、選手要望で“打倒中国ポイント”追加導入 宮崎氏「強化加速する」

 日本卓球協会は4日、都内で理事会を開催し、独自設定ポイントで争う24年パリ五輪の代表選考の追加基準として、中国選手のうち世界ランク上位3人に勝利した選手にポイントを付与することを決定した。対象は23年1月30日から24年1月21日の団体戦を除く国際大会で、1勝につき7ゲーム制なら「15点」、5ゲーム制なら「10点」。オンラインで取材に応じた宮崎義仁強化本部長は、選手からの要望が発端だったことを明かし「(打倒中国の)モチベーションが上がると。日本のトッププレーヤーは対中国(の目標)が明確になり、強化が加速する」と語った。

 日本協会は昨秋、パリ五輪代表の選考方針を発表。世界ランクに準拠する従来の方式から、国内選考大会を重視する方針に変更し、国内外の対象大会に日本協会独自の選考ポイントを設定した上で、男女各上位2人がシングルス代表に決まることになった。ただ、ワールドツアーに関しては参加方式が変わり公平性を保てないことから、選考ポイントの対象には入ってなかった。

 宮崎強化本部長によれば、4月に選手とミーティングを行った際、ワールドツアーがポイント対象になっていないことからモチベーションが上がらないという意見があり、選手側から「例えば中国トップ3を倒せばポイントを付与するのはどうか」というアイデアが出たという。5月には各所属の監督・コーチとも意見交換の場を持ち、選手からアンケートを集約。最終的に、中国トップ3からの“殊勲星”にポイントを付与することを承認した。

 宮崎強化本部長は「五輪レース最後の1年で中国をターゲットにダッシュを掛けようと。選手全体のミーティングでも反対がなかった。日本のトッププレーヤーは対中国が(目標として)明確になり、強化が加速する。選手の意見を集約して、いい条件で選考基準に盛り込むことができた」と自信をのぞかせた。

 また、パリ五輪代表選考に大きく影響する来年の世界選手権個人戦シングルス代表については、今年10~12月に開催予定のアジア選手権代表に選ばれた男女各5人が対象となる。そのアジア選手権へは、日本協会として選考時点(未定)でのパリ五輪代表ポイント上位5人を派遣するといい、計4回のパリ五輪代表選考会(アジア選手権の開催時期によっては11月の第4回は含まない)、8月のTリーグ個人戦、Tリーグのシーズン個人勝利ポイントでの合計で争われる。

 さらに、パリ五輪代表選考対象の1つである「Tリーグ個人戦」(8月13~14日・トッケイセキュリティ平塚総合体育館)で、日本協会強化本部選出としてTリーグ所属選手以外にも門戸が開かれることについて言及。昨季Tリーグへの登録が遅れる選手が散見された例を挙げ、宮崎強化本部長は「(今年は8月に)個人戦があって早めに登録した選手もいるが、(出場権を)Tリーグのみで打ち切った場合、多くの有力選手が出られない場合がある。(8月時点で)契約交渉中の選手に手をさしのべる方法は(日本協会の)推薦と(考えた)」と説明した。

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