“デカ”ことフィギュア・田中刑事が引退会見「いいことはほんの一瞬だけ。折れずに続けてこれた」
フィギュアスケート男子の18年平昌五輪代表で、“デカ”の愛称で親しまれた田中刑事(27)が29日、横浜市内で引退会見を行った。11日に自身のツイッターで現役引退を表明していた。
平昌五輪に、3度の世界選手権出場も果たした競技生活を「いいことばかりだったのはほんと一瞬だけだった。一瞬一瞬、1年に1、2回あるかぐらいだけ。その中で、ほとんどは苦しい時間だったが、その中で折れずにここまで続けてこれたのはこれからの糧になる」と、語った。
昨年12月の全日本選手権後に現役を退くことを決めた。「決断は全日本のフリーを終えた後です。納得のいく演技ではなく、達成感があったわけではなかったですが、ここで区切りをつけようと思いました。シーズンを振り返って思うような競技成績を残すことができず、悔しいシーズンでしたが、自分の中で新たな目標を立て、競技生活には未練なく、すぐに次のスタートを切ろうと思いました」と、明かした。
思い出の試合については「言われるだろうと思って準備しようとしたんですけど、何も思い浮かばなかった」と笑い「どの試合も何かしらエピソードがあって、悪かった試合でも何か残ってきたものがたくさんあったから」と、説明した。
今後の目標の1つは指導者。現在、兵庫西宮アイスアリーナで、高橋大輔らを指導したことで知られる長光歌子コーチらのもとでアシスタントコーチとして選手の指導をしながらコーチ業を勉強していることを明かした。
また、プロスケーターとしても活動していく。この日、プロ転向後、初となるアイスショー「プリンスアイスワールド」の横浜公演初日に出演した。