「柔道・全日本選抜体重別選手権」（３日、福岡国際センター）

　１０月の世界選手権（タシケント）代表選考会を兼ねて行われた。男子６６キロ級準決勝で、東京五輪金メダルの阿部一二三（２４）＝パーク２４＝が、世界王者の丸山城志郎（２８）＝ミキハウス＝を６分３８秒、指導３つによる反則で下し、５年ぶり３度目の優勝を果たした。丸山とは２０年１２月１３日の東京五輪代表決定戦以来１年４カ月ぶりの再戦だったが、再び勝利し、２４年パリ五輪に向けても好スタートを切った。

　因縁のリマッチを制した阿部は「ッシャー！！」と大きく雄たけびを上げた。序盤から積極的に足技や担ぎ技に入り積極姿勢。ポイントは奪えなかったものの、延長に入ってからも攻め手を緩めなかった。「今回の試合は、自分が五輪王者ということを証明するために戦おうと思っていたので、しっかり証明できたと思う。五輪も経験して、（丸山は）やっぱり強い選手だなと感じたが、気持ちが入ったし、五輪王者として絶対に負けられないと。前に出て、何が何でも勝ち切るんだという気持ちで戦った」と汗を拭った。

　異例のワンマッチでの五輪代表決定戦となった前回の対戦は、２４分間の死闘の末に、阿部が大内刈りで延長優勢勝ち。代表権を勝ち取った阿部は、昨夏の東京五輪で金メダルに輝いた。一方の丸山も、昨年６月の世界選手権で２連覇を達成。パリ五輪に向けて、再びライバル関係が始まったが、阿部は「パリ五輪まで全勝で、全部自分が勝って代表になって２連覇したい」と力強く宣言した。