札幌山の手初戦突破 定年迎える佐藤幹夫監督「最高のプレゼント」

前半、タックルをかわし突進する札幌山の手・ステファン・ヴァハフォラウ、そのままトライを決める(撮影・飯室逸平)
試合前の円陣の中心で気合いの雄叫びをあげる札幌山の手・ステファン・ヴァハフォラウ(撮影・飯室逸平)
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 「全国高校ラグビー・1回戦、札幌山の手36-10黒沢尻北」(28日、花園ラグビー場)

 ノーサイドの笛が鳴り、選手がスタンドに向かって整列。今年で定年を迎える札幌山の手・佐藤幹夫監督(60)は、礼をする教え子に笑顔で拍手を送った。「よく頑張ってくれたなと思います。最高のプレゼントになりました」。節目の年の初戦突破に思わず頬が緩んだ。

 試合開始から怒濤(どとう)の攻撃で流れをつかんだ。前半3分、左中間ゴールライン直前のラックからフッカー山本陽生(3年)が執念に持ち込む先制トライ。さらには12分、30メートルのラインアウトから右に展開すると、SOステファン・ヴァハフォラウ(3年)が巧みなステップで翻弄(ほんろう)。「幹夫先生が最後なので、自分たちは100%を出さないといけない」と意気込んだニュージーランド人留学生が、ゴール付近のタックルもハンドオフで制し、技ありトライを決めた。

 後半は2トライを返され、「ちょっとハラハラしましたね」と指揮官。ただ、ゴールライン付近でも粘り強く持ちこたえ追加点を許さず。監督の節目の白星を必死につかみ取った。

 母校の英雄からのエールがあった。12月中頃、2019年ラグビーW杯日本代表主将を務めたリーチ・マイケル(東芝)からオリジナルパーカが部員全員に贈呈。「頑張ってください」と監督の下にメッセージが届き、花園に向けてチームは団結。偉大な先輩も、監督の花道に力を貸した。

 1988年から就任し、20回も聖地に導いた佐藤監督。まだ3回戦進出を果たしたことはなく、花園での“正月越え”がチームの合言葉だ。「自分たちの代が始まる時のミーティングから『絶対に花園で年越ししよう』と言ってきた。思いは強いです」とWTB吉田慎吾主将(3年)。次戦も勝利し、監督に元旦の試合をプレゼントする。

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