「柔道・グランドスラムパリ大会」（１７日、フランス・パリ）

　男子８１キロ級で、１８年マスターズ覇者の佐々木健志（２５）＝ＡＬＳＯＫ＝が衝撃の５試合オール一本勝ちで優勝した。準々決勝は世界王者で東京五輪銅メダルのカッス（ドイツ）を１分９秒横四方固めで破り、決勝は世界ランク１位のグリガラシビリ（ジョージア）を１分１５秒合わせ技一本で退けるなど、１試合平均の所要時間がわずか９２秒という圧勝劇だった。

　日本男子が鈴木桂治監督体制になってからの初陣で、２４年パリ五輪に向けて大きくアピールした。佐々木は国際大会への出場が２年ぶりで、優勝するのも１８年マスターズ以来３年ぶり。試合後は自身のインスタグラムを投稿し「久々の国際大会、成長した姿を見せられたと思います。この結果におごることなく、まだまだ上を目指して頑張ります」とコメントした。

　強靱なフィジカルから繰り出す切れ味鋭い立ち技と、日本代表屈指の寝技を武器に一本勝ちを量産するスタイル。東京五輪代表争いでは落選したが、昨年１２月の体重無差別の全日本選手権では重量級選手を次々に撃破して３位と大健闘。４月の全日本選抜体重別選手権でも優勝するなど勢いに乗っており、台風の目と化しつつある。

　東京五輪金メダリストの永瀬貴規（２８）＝旭化成＝は出場していなかったが、海外勢の強豪が多い８１キロ級にあって、勢力図を書き換えるような勝ちっぷりを見せた。