照ノ富士「まだ弱いな」3場所連続Vならずも昇進文句なし!平成生まれ初の横綱へ

 「大相撲名古屋場所・千秋楽」(18日、ドルフィンズアリーナ)

 進退を懸け臨んだ横綱白鵬が千秋楽、全勝決戦で大関照ノ富士を仕留め史上最多を更新する45回目の優勝を果たし、大復活した。照ノ富士については、日本相撲協会審判部が八角理事長(元横綱北勝海)に昇進を審議する臨時理事会の開催を要請。21日にも第73代横綱が誕生する。

 全精力を注ぎ、ぶつかっていった。右からの強烈なかち上げを食らっても、照ノ富士はひるまない。白鵬有利の右四つの形を許し、上手投げを打たれた。その後は小手に振ってくる。懸命にしのごうとしたが、最後は前へ突っ伏してしまった。

 「今の自分のできることをやりました。自分が弱かっただけです。出し切っても負けてしまったので、まだ弱いなと思いました」

 12年名古屋場所の日馬富士-白鵬以来9年ぶり、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降で6度目の千秋楽全勝決戦。仕切り前には険しい表情で白鵬とにらみ合った。火花が散るほど意識したが3場所連続5度目の優勝はならなかった。

 それでも令和初、平成生まれの力士では初となる横綱の誕生だ。八角理事長(元横綱北勝海)は横綱昇進について19日に開かれる横綱審議委員会(横審)に諮問すると明かし、審判部から昇進を審議する臨時理事会開催を要請され受諾した。「横綱に上がった場合、大関にはなかったものを求められる。それを踏まえて頑張ってほしい」と期待を寄せた。

 大関から両膝の故障や内臓疾患で序二段まで転落。大好きな酒も控え、誰よりも自分に厳しく、自らを律し、はい上がった。そして上り詰めた。

 「場所ごとにちょっとずつ良くなっている感覚はあります。これからもっと良くしていきたい」と照ノ富士。現時点で白鵬にかなわなかったのは事実だが、『横綱照ノ富士』として再び高い高い壁に挑む。

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