照ノ富士、3連覇ならず 白鵬に敗れて準優勝も 平成生まれ初の横綱へ

白鵬(左)の顔面に張り手をする照ノ富士=ドルフィンズアリーナ(撮影・山口登)
照ノ富士(左)は白鵬に敗れ悔しそうな表情を見せる=ドルフィンズアリーナ(撮影・山口登)
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 「大相撲名古屋場所・千秋楽」(18日、ドルフィンズアリーナ)

 大関照ノ富士(伊勢ケ浜)が横綱白鵬(宮城野)に小手投げで敗れ3場所連続5度目の優勝を逃した。9年ぶり6回目の千秋楽全勝対決。モンゴルの大先輩・白鵬とは、17年夏場所以来、4年ぶりの対戦だった。これまでの幕内対戦成績は4勝9敗だった。

 立ち合いまでに壮絶なにらみ合い。先に腰を下ろした照ノ富士に対し、白鵬(宮城野)は間を置いて対応した。立ち合い。左手で張られ、右肘で容赦ないかち上げを食らう。さらに張り手の応酬の末、右を差されて相手十分の体勢を許した。強引な小手投げの前に土俵にたたきつけられた。

 照ノ富士は15年夏場所後に大関に昇進したが、左膝の負傷のため17年秋場所後に大関陥落。その後も両膝痛と内臓疾患(糖尿病、C型肝炎、腎臓結石)に苦しみ、18年名古屋場所で大関経験者として初の幕下に降下。4場所連続全休し、西序二段48枚目に降下した。一時は引退も頭をよぎったが、現役続行。19年春場所で復帰した。筋力が落ち、全盛時、200キロ超のベンチプレスは80キロがやっとだった。

 復帰後は昨年初場所で再十両に昇進すると、再入幕した昨年7月場所で自身2度目の幕内優勝。関脇で迎えた今年春場所は12勝3敗で優勝して、序二段から史上最大カムバック劇となる21場所ぶり大関再昇進。5月場所は優勝決定戦の末、2場所連続優勝を果たして、綱とりが懸かる今場所を迎えていた。

 優勝は逃したが照ノ富士の横綱昇進は決定的。取組を終えて、審判部が八角理事長に臨時理事会招集を要請した。19日に理事長が横綱審議委員会(横審)に諮問。横審は定例会で審議し、出席委員の3分の2以上の賛成があれば、理事長に推薦を答申する。その上で21日に番付編成会議と臨時理事会が開かれ、正式に決定する。大関陥落経験者の横綱昇進となれば、昭和以降三重ノ海に続き2人目となる。

 伊勢ケ浜部屋の横綱は照国、日馬富士に続き3人目。師匠の旭富士も1990年名古屋場所で横綱昇進を決めている。照ノ富士は平成生まれ初の横綱。ちなみに平成生まれの初優勝、初の大関も照ノ富士だった。

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