影浦心が初世界王者 最重量級18年ぶり殊勲「井上監督に金メダル、誇らしい」

 「柔道・世界選手権」(12日、ブダペスト)

 男子100キロ超級が行われ、影浦心(こころ、25)=日本中央競馬会=が初出場初優勝を飾った。決勝は世界ランク4位のタメルラン・バシャエフ(ロシア)に技ありによる優勢勝ち。同階級では、2003年大会の棟田康幸以来18年ぶりの日本勢の制覇となった。

 影浦は「調子が悪かった」というように初戦から苦戦が続いたが、4試合を一本勝ちすると、決勝は得意の背負い投げで技ありを奪った。最重量級では小柄の179センチという体格ながら、持ち味の受けのうまさやスタミナも発揮して世界王者に上りつめた。

 昨年2月には五輪2連覇中のテディ・リネール(フランス)から大金星を奪った。“絶対王者”の連勝を154で止めてその名を世界にとどろかせたが、東京五輪は落選。五輪を1カ月後に控える今大会はリネール、クルパレク(チェコ)、トゥシシビリ(ジョージア)ら世界王者は不参加だったが、厳しい世界の重量級の中で勝ち切り、「本当は東京五輪に出たいのが本音だが、(24年)パリを目指す上で絶対に取らなきゃいけない大会という気持ちで出た。絶対に取らなきゃいけない組み合わせであり、タイトルだった」と汗をぬぐった。

 100キロ超級の金メダルは日本勢18年ぶりで、2012年の井上康生監督就任以降、五輪と世界選手権で唯一優勝のなかった階級だった。重量級復活の一翼を担う男は「自分の手で金メダルを取れたこと、最後に最重量級で井上監督に金メダルを掛けられたことは本当にうれしいし、誇らしい」と胸を張った。

 試合後に影浦と抱擁した井上監督は「我慢の連続だったと思うが、最後まで耐えて優勝を勝ち取ってくれた。全て(の強豪)が出そろったわけではなかったが、一つ一つ実績を積み上げて24年(パリ五輪)に行きたいという中で(世界タイトルは)成長につながったのでは」とねぎらった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス