福岡堅樹が有終トライ「何ひとつ後悔なく次の道に進めます」ラストTLはパナソニックV

 前半、サントリー ボーデン・バレット(中)をかわしてトライを決めるパナソニック・福岡(撮影・金田祐二)
 有終の美を飾り喜ぶパナソニック・福岡(中央下)
 チームメートに担がれ笑顔の福岡
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 「ラグビー・日本選手権兼トップリーグ・プレーオフ決勝、パナソニック31-26サントリー」(23日、秩父宮ラグビー場)

 パナソニックが盤石の試合運びでサントリーに31-26と快勝し、トップリーグ(TL)史上最多タイとなる5度目の優勝を5季ぶりに決めた。日本選手権では6度目の制覇。来季から新リーグに移行するため、現行のTLは今季がラスト。医師を目指すため今季を最後に引退表明していた2015、19年W杯日本代表WTB福岡堅樹(28)は「何ひとつ後悔なく次の道に進めます」と惜別のトライを挙げる活躍。自身のラグビー人生初日本一を置き土産とする有終の美を飾った。

 最後に最高の頂点まで登り詰めた。ノーサイドの瞬間、誰の元へも駆け寄ることなく一人で空を見上げ、静かに喜びをかみしめた。

 「ラグビーで唯一やり残していたこと、チームでの優勝を最後に勝ち取ることができて、何ひとつ後悔なく次の道に進めます」

 日本選手権決勝を兼ねていることから福岡高、筑波大時代を含め自身初の日本一でもあった。

 現役ラストでも福岡の快足は全開だった。13点リードの前半30分。パスを受けると1人をかわし、2人目のSOバレットも振り切り、左手一本でインゴールに押さえる現役ラストトライ。「いつも通り自分らしく走り切りました」。もはや特別なことではなかった。

 夢だった医師になるため今年2月には順大の医学部に合格し、4月から通い始め、選手と両立してきた。練習拠点のある群馬県太田市から授業の時は片道1時間半以上かけ、キャンパスのある東京・御茶ノ水に車で通学した。「車で移動してきてすぐ練習ということもあった」とハードな生活を振り返った。

 それでも、今季通算14トライ。「限られた時間を有効に使った」と、授業で練習を休むことがあっても状態を落とすことなく、決してチームに迷惑をかけない努力をした。

 来季から新リーグへ移行する。現行のTLはラストシーズンで、パナソニックにとって史上最多タイ5度目となるTL王者に貢献する、この上ない有終の美を飾った。

 将来どの分野の医師になるかは未定だが、トップアスリートとしての活動は誰にもない貴重な経験だ。「患者さんの人生に向き合える、心に寄り添えるドクターになれるように1歩1歩、努力を続けたい」。次なる夢をつかむため第二の人生を走り出した。

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