IOC・コーツ氏「緊急事態宣言でも開催」に頭抱える関係者「火に油」世論の反発必至

 東京五輪の準備状況を監督する国際オリンピック委員会(IOC)の調整委員会と大会組織委員会は21日、3日間の合同会議を終え、IOCのジョン・コーツ調整委員長(71)と、組織委の橋本聖子会長(56)らが会見した。本番前では最後の合同会議で、コーツ調整委員長は新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が出されている状況下でも五輪を開催する意向を示した。

 コーツ調整委員長は、緊急事態宣言下でも五輪は開催するか?との問いに、「緊急事態宣言の下で5競技のテスト大会が行われた。最悪の状況を想定して行われて成功している。答えはイエスだ。我々が示している対策を実行すれば、安全安心な開催はできると言われている。これは緊急事態宣言下であってもなくてもだ」と、強調した。

 ただ、6割が中止、再延期も含めた8割超が今夏の開催に反対している日本の世論。緊急事態宣言下となれば、都民、国民の生活に大きな制約が掛かっている状況での開催となるだけに、さらなる反発を呼びかねない発言に、大会関係者は「完全に火に油だ。今、それを言えば、批判を受けるだけ」と頭を抱えた。

 今回の4月下旬から出された3度目の緊急事態宣言は、前回の宣言解除からわずか約1カ月で発令された。当然、7月の大会時に宣言やまん延防止措置が出ている状況は十分考えられる。それでもやると言えば批判は必至、できないといえば一気に中止への機運が高まるだけに、4月の会見で組織委の武藤事務総長は海外メディアからの「もし大会中に緊急事態宣言が出されていたらどうなるのか?」との質問に、「仮定のご質問への回答は控える」と答えず。橋本会長らが必死に環境整備に取り組む中で、国民の理解を得ようとしていた。

 関係者によれば、IOCは開催ムードが高まらない今の日本の状況に「イラ立っていた」という。放たれた“失言”は、大きな波紋を呼ぶ可能性がある。

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