横審が照ノ富士を称賛 「昔の『おしん』を思い出すよう」との声も
日本相撲協会が29日、春場所後の横綱審議委員会(横審)を開いた。負傷からの復活を経て3度目の優勝を果たし、大関復帰を確実にした関脇照ノ富士について、矢野弘典委員長はある横審委員の声として、ある“国民的ドラマ”を思い出す、という声もあったと紹介した。
オンライン形式で記者会見に出席した矢野弘典委員長は、照ノ富士の優勝について、「言ってみれば奇跡的復活劇でありますが、多くのファンの心をとらえたものと思います」と表現した。
その上で、照ノ富士の優勝インタビューを聞いた各委員の声を紹介し、「昔の『おしん』を思い出すようだな、というような感想すら出ておりまして。多くのファンの皆さまにも共感を得たのではないかと思います」と語った。
元大関の照ノ富士は両膝の手術を経て、番付を一時は序二段まで落としたが、苦しいリハビリの末に19年に復帰すると着実に番付を戻していった。再入幕を果たした昨年秋場所で2度目の優勝を果たすと、三役でも勝利を重ね、今年の春場所で12勝3敗で3度目の優勝を果たし、大関復帰も確実にした。
矢野委員長は、大関陣全員に対して「競い合って上を目指してほしいと思います」とエールをおくった。