羽生結弦 最終目標は五輪金ではなく4回転半成功 現役続行…前人未到の挑戦へ

 一夜明け取材に応じる羽生結弦(日本スケート連盟提供)
 男子で3位の羽生結弦のフリー(AP=共同)
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 「フィギュアスケート・世界選手権」(28日、ストックホルム)

 男子フリーで、ショートプログラム(SP)首位の羽生結弦(26)=ANA=はフリー4位の182・20点、合計289・18点で総合3位となった。終了後、そして一夜明けた28日も成功すれば世界初となるクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)への意欲を口にした。初出場でSP2位の鍵山優真(17)=神奈川・星槎国際高横浜=はフリー190・81点、合計291・77点で2位。初出場での表彰台は2013年の羽生以来の快挙となった。SP3位のネーサン・チェン(米国)が全てのジャンプを着氷させ、フリー222・03点、合計320・88点で3連覇を達成。SP6位の宇野昌磨(23)=トヨタ自動車=は4位と巻き返した。

 既に五輪2連覇を果たした羽生の心がワクワクするような次なる挑戦は、やはり世界でまだ誰も成功していないクワッドアクセルしかないのだろう。「4回転半を早く練習して、まずは着氷させて、完成度を上げて、試合に組み込めるようにしたいというのが今の目標。誰よりも早く4回転半を公式できれいに決める人間になりたい」。敗戦直後の取材でも、公式会見でも、試合に対する反省以上に大技への意欲を口にし、来季の現役続行をあらためて表明した。

 一夜明けた28日には「僕にとって最終目標は五輪の金メダルではなく、あくまでも4回転半を成功させること。一番の目標」と断言。22年北京五輪については、4回転半成功を目指すことを前提に「その道の上にあれば」とし、3連覇が懸かる大舞台に臨む可能性は否定しなかった。

 多い日には「2時間ぶっ続け」で4回転半に挑み続けた日もあったといい「(あと)8分の1回れば立てますね、間違いなく」と完成形への手応えはつかみかけている様子。離日直前まで練習を続けてきただけに「かなり体を酷使している」ともこぼしており、挑戦再開は体の状態を見ながらになるが、刻一刻と夢が現実となる日が近づいている。

 試合では冒頭から二つの4回転が乱れ、得意のトリプルアクセル(3回転半)まで崩れた。フリーの演技後には、ぜんそくの発作も出たという。「(ジャンプの)バランスが崩れていった感じ」と振り返ったが「ちょっと苦しかったかなと思うくらい」と影響は否定。「点数以上にトレーニングしてきたことは間違っていなかったと思う演技だった。ここで限界だからやめるみたいな感触はあまりない」と“限界説”も一蹴した。

 「確実にうまくなっているんで、羽生結弦」-。いまだ誰もなしえていない大技へと気持ちを向け、より進化した羽生結弦として、来季また氷上に降臨する。

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