異例ずくめの初場所 感染者続出に八角理事長陳謝「多大なご心配をおかけしました」
「大相撲初場所・初日」(10日、両国国技館)
新型コロナウイルスの影響で力士65人が全休する異常事態の中、新年場所が幕を開けた。八角理事長(元横綱北勝海)は初日恒例のあいさつを行い、初場所への思いを述べた。
横綱鶴竜を含め史上最多、関取16人が全休。横綱白鵬も感染し、両横綱は3場所連続で不在となった。「場所前、複数の感染者が判明し、多大なご心配をおかけしましたことを深くおわびを申し上げます」と陳謝した。
ウイルスの不安に感染予防を徹底。寒さが厳しい中、国技館は扉を開放して換気。来場者には温かい服装で観戦を呼びかけた。
理事長は「力士は厳しい感染予防を行いながら毎日の稽古の成果を発揮し、本年、最初の本場所にふさわしい白熱した相撲でご期待にお応えする。伝統文化である大相撲を通して世界中に感動を届ける」と決意を込めた。
緊急事態宣言下、クラスター発生なら場所が途中打ち切りの可能性もある。芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「万が一、感染が出たら部屋を封鎖する手だてをして乗り越えていかないと」と厳しい15日間を覚悟した。
“強行開催”には否定的な声も聞くが進むのみ。同部長は「協会は安心、安全を構築していく。こんな中でも来ていただいてありがたい」と感謝した。また協会は感染を危惧し来場を控えたい人には入場券の払い戻しにも対応する。